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「道先案内人」の意味と課題

 「21世紀の地域同胞社会像」は、地域同胞社会にトンネを復活させながら、若い人のニーズに応えていくところに、ヒントが隠れているのではないか―半年前、この欄に書いた出だしの部分だ。

 ここに引用したのは、20世紀から21世紀にかけて生きる在日同胞の1人、そして記者として、それを改めて強調したいと思うからだ。

 本紙の扱う同胞生活関連の記事で主張したいのは、今後の同胞社会のあり方だ。論議の場は地域、世代別、学校などさまざまだ。

 世代交代した同胞社会はかつてと違ってとてもシビアだ。だからなおさら現場の声を集め、まとめていく必要がある。本紙は「道先案内人」だと思っている。

 ところが昨年後半からとくに、「あと、残るは朝鮮新報だけだ」という言葉に象徴されるように、読者が減ってきているのも現実。個人的な見解だが、内容が悪いというより読者のニーズ、声に応えられていないからだと思う。現実を率直に受け止めたい。

 学校関係の記事を紹介するのは、学校を取りまく活動を紹介しながら、地域を活性化させるとともに、他地域の参考になればと考えているからだ。祖国の情勢を伝えるのも、同胞の生活と結びつくものがあるからだ。ただそれらがうまく伝わらないのであれば、改善していかなければならない。「分かりやすい記事」が求められる。

 これまでの取材を通じて、内容については賛否両論にせよ、誰もが今後の同胞社会に対する何らかの青写真を描き、少しずつ実行に移しているということを確認している。同時に、自分の地域は自分たちがどうにかしなければならないという意見も耳にしてきた。

 同胞のニーズに応え、同胞にとって意味のある記事をストレートに紹介していくことによって、信頼は回復していくことができると思う。最近の取材で強く感じた。(基)

[朝鮮新報 2003.2.19]