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青年たちの声−集う場所は支部、ウリハッキョ

 同胞社会のあり方について今、さまざまな論議が交わされている。老若男女、生活を取りまく環境、地域など条件はそれぞれ異なるが、大きくテーマはひとつ、「どうする同胞社会の未来」に集約される。同時に、その開拓者は同胞自身。今号から、同胞社会の発展のために論議、提起されている内容を随時、紹介していく。1回目は、いずれは結婚をし、同胞社会の核となる青年たちの考えについて、在日本朝鮮青年同盟の機関誌、月刊「セセデ」編集部が昨年後半、数回にわたって実施したアンケートをもとに見てみた。

関心は「恋愛」「収入」「趣味」

 年始の各地での取材を通じて得た話を総合すると、現在、青年たちの日常的な関心事は、「恋愛」「収入」「趣味」という、現実生活を直視した要素が比重を占めるようになった。とはいうものの、今後の生き方については、「6.15北南共同宣言発表を踏まえ、統一コリアを念頭においた生活のスタイルを模索していくべきだ」「朝鮮、韓国籍のみという単純な枠ではもうくくれない」との声が多く寄せられた。

 つまり考え方、生活様式がいかに多様化しても「民族」をキーワードに、統一民族の一員として日本でどのように生きていくのかを模索している。

 「セセデ」編集部が実施したアンケートの結果も、現実問題として彼らの身近な問題として提起される「同胞社会」「民族教育」の問題に回答の多くが寄せられていた。

地域密着型が大切

 まずは「同胞社会」の現状を彼らはどのように認識しているのか。

 「消滅はしないと思うが縮小していくのでは」「急変するニーズに応えきれていない」という意見が多い。

 では、現状をどのように変革していくのかという具体的な対策にまで触れているものは少なかったが、「未来は誰かに頼るものではなく、自分たちの力で開拓するもの」(23歳の男性、兵庫)、「こういう情勢だからこそ、同胞たちが団結してどうにかしていかなければならない。その活動の場はやっぱり支部、ウリハッキョであると考えられる」(23歳の女性、埼玉)、といった声が多い。

朝鮮学校の姿知りたい

 今後家庭を築き、子どもをどのように育てるのか−「民族教育」の問題は、彼らにとって近い将来直面する問題だ。

 「在日朝鮮、韓国人が母国語、自国の歴史、文化を習うのは当たり前。北も南も関係なく、同胞のための学校として完全に生まれ変わってほしい」(28歳の男性)。

 現在、「朝鮮、韓国籍」保持者の出生数は年間約3千人。一方で日本国籍とのダブルはその2倍を超えると言われる。先の男性の意見は、こうした同胞の子どもたちも気兼ねなく学べる教育環境が求められているということを提起しているのではないか。

 また興味深いのは、日本学校に子どもを送っている親の中にも、「ルーツを忘れさせないために、子供は朝鮮の姓で学校に通わせている」というケースや、ウリマルを教える青年学校やサマースクールへの勧誘に訪れた朝青員を門前払いする家庭でも、実は頻繁に南の地を訪れ、先祖の墓参りを欠かさなかったりするケースがある。

 同胞社会の今後を担うこうした青年たちの意見をまとめて生かし、行動に移し形を作っていくことが現状打開につながろう。(基)

[朝鮮新報 2003.2.27]