各地の同胞が語る「私とサークル」−ボクササイズサークル(東京) |
朝青東京都中野・杉並支部(以下中杉支部)にはサッカー、朝鮮舞踊、ボクササイズの3つのサークルがある。なかでもボクササイズは昨年4月に結成されたばかり。WBC世界スーパーフライ級チャンピオン洪昌守選手に続けとばかりに、世界チャンピオンを輩出するその日を夢見て(?!)がんばっている。 無理せず楽しく モットーは「無理せず楽しく汗を流す」ということ。現在、男子4人、女子4人の計8人がメンバーとなっており、毎週月曜日に東京朝鮮第9初級学校で練習が行われている。 全国的にも珍しいと思われるボクササイズサークル結成のきっかけは、中杉支部高円寺・阿佐ヶ谷班金大鉱副班長の一言だった。 「ダイエットがてら、ボクササイズでもやってみようか」 同班にはボクシングのプロライセンスを持つ朝青員がおり、彼の指導のもと、活動が始まった。 ボクササイズとは、エアロビクス(有酸素運動の総称)に格闘技の基本動作を取り入れ、個人の体力に合わせて行うグループエクササイズのこと。有酸素運動と筋力トレーニングをセットで行うことで、シェイプアップはもちろん、全身を短時間でバランス良く鍛えることができる。何より音楽に乗せて楽しみながら行えるため、ストレス解消にうってつけだ。 スリムなボディー ちょうど夏までにスリムボディーを目指してダイエットに励もうと思っていた私は、もともと運動好きということもあり、サークル結成の話に飛びついた。 しかし順風満帆、というわけにはいかなかった。「ボクシング」という響きに不慣れなせいか、集まってくるのは男子ばかりで女性は私一人。それでもっと多くの同胞青年たち、とくにダイエットに関心のある女子にボクササイズのことを知ってもらおうと友人や後輩に声をかけ、女性たちが参加しやすい土台作りに励んだ。 こうして呼びかけるうちに、最初の頃はボクシングジムのようにむさくるしかったサークルにも少しずつ女子の参加が増えるようになった。今ではうわさがうわさを呼び、遠く他支部からの参加者もいるほどだ。 サークル活動が軌道に乗った要因は、ボクササイズが健康的なダイエットを志向する同胞青年のニーズにぴったりマッチしていたからだろう。私自身、サークルのおかげで見事シェイプアップに成功。今では風呂上がりに鏡の前で「ジャブ、ストレート!」とシャドーボクシングをしてしまうほどボクササイズが生活の一部となっている。 また身体的なメリットはもちろんだが、なんといってもサークルの一番の魅力は「仲間に会える」ということ。日本の学校に通っていた、学生会に出会う前の私のように、今も朝鮮人としての居場所を見つけられず息苦しさを感じている同胞青年がいる。サークルが、彼らが心の底から笑える「場」となるように、これからも同胞青年たちのニーズにこたえていきたい。(金元美、尚美学園大学4年) [朝鮮新報 2003.4.7] |