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各地の同胞が語る「私とサークル」−若い同胞たちの会「豊平21会」(北海道)

 札幌市の豊平区には、札幌に在住する同胞の約2割が居住している。地域同胞社会の活性化、分会に若い力を吹き込むため結成されたのが若い同胞たちの親睦会「豊平21会」。結成から1年、若い世代の要求をすくいあげる集まりとして大きな力を発揮している。

みんなが求めていた場

 今まで、学校の行事やさまざまな集まりに顔を見せることはあったが、分会の活動には特別な関心を示してこなかった。しかし、初代北海道青商会会長であり良き先輩が新たに分会長になったのを契機に分会の活動にも多少なりとも携わるようになった。

 分会長は私を訪ねて来て「これからの分会は若い世代も出てこられる場に作りたい。分会のなかに若手で親睦会を立ち上げてみないか」と持ちかけてきた。

 若い世代を集める−最初はとまどいがあったものの、豊平に居住する若手連中に声をかけてみたところ、意外にも多くの人たちから即座に「ぜひそういう場を設けましょう」という答えが返ってきた。皆が親ぼくの場、交流の場を求めていたことに正直、驚いた。

 こうして昨年3月に、総勢30人を超す若い同胞が集まり結成集会を開くことができた。名称も21世紀を切り開くという意味を込め「豊平21会」とし、初代会長に私が就任することになった。

 会の目的は、いろんな枠にとらわれず在日コリアンとしての親ぼく、交流を深め、地域同胞社会を活性化させる起爆剤としての活動を行うというものだ。

 まず私は、会の結成を広く知らせなければならないと考えた。おりしもその頃、豊平では同胞結婚式が4件も予定されていた。この機会を逃すわけにはいかないと考えた私は、さっそく合唱部を作り、毎週、歌の練習を行った。その結果、北海道では一番と言われる青商会にも追いつくほどに上達した。

 さて、いよいよ本番の結婚式でのお披露目。緊張のなか特別に作った「豊平21会」のネオンサインを掲げ、会の趣旨を説明し歌を熱唱(?)すると、これがなんと多くの同胞の拍手喝采を浴び、会の存在を1日でアピールすることができた。それからは結婚式があるたびに出演依頼が来るようになった。

自らの知恵と力で

 何よりも貴重な経験となったのは、これまで顔は知っていても話す機会がなかった人たち同士の交流を深められたことだ。

 道外から来た同胞は、「21会を通じて初めて同胞社会に触れることができた」と言ってくれ、また他の同胞は「たとえ引っ越したとしても、その地域で21会を広めたい」と言ってくれた。

 また何よりも素晴らしいと誇れるのは、これからの在日同胞社会を担っていく若い同胞が会の活動に真剣に取り組んでいることだ。

 昨年来、情勢が厳しく変化し不安がいまも広がっている。しかし同胞社会は自らの力と知恵で築いていくものと確信している。その大きな一端を、私たち「豊平21会」が担っていこうと決意している。(朴幸一、「豊平21会」会長)

[朝鮮新報 2003.4.11]