民族性固守委、女性局、広報室新設−総連中央委員会第19期第3回拡大会議 |
総連中央委員会第19期第3回会議拡大会議が9日、東京都千代田区の朝鮮会館で行われ、総連中央の徐萬述議長、許宗萬責任副議長、各副議長、中央委員らが参加した。会議では、愛族愛国運動と同胞らの置かれている実情と諸般の状況を直視し、団結した力で総連と同胞社会、同胞らの利益を守るうえで必ず力を注ぐべき課題と対策を討議した。そして、第1議題の総連中央常任委員会活動報告「団結した力で醸成された情勢に主動的に対応して総連と在日同胞社会を守り発展させていくことについて」、第2議題「組織問題について」をそれぞれ採択した。また12人の中央委員が討論。第1議題を支持、実現し、総連を愛族愛国の民族団体、同胞大衆組織として発展させていくうえでの決意と経験について語った。会議では最後に徐議長が結語を行った。 20全大会までの課題
会議では、第1議題の報告を徐議長が行い、第19回全体大会決定(2001年5月)の執行状況と、厳しい現状を乗り越え総連と同胞社会を守って行くうえでの課題などについて言及した。 執行状況についてはとくに、昨年5月の第19期第2回会議で総連が民族団体、同胞権益擁護団体としての性格をより明確にして、教育文化事業と同胞生活奉仕活動を2つの中心柱にして推し進めてきた活動の教訓と経験について強調した。 昨年末から、中央委員をはじめとする中央の活動家が厳しい情勢の中でも運動を推し進めている各地の本部や支部などの現場に入り、同胞と膝を交えて活動した結果、同胞に頼り、力を合わせていけばいかなる困難も乗り越えられ、また引き続きそうした総連本来の姿で活動していくべきだと指摘した。 今後の課題としては、第20回大会(来年)まで提起される問題について言及した。とくに、@民族性啓蒙運動の推進、民族教育事業の強化発展など民族性の固守A同胞生活相談綜合センターの発展B同胞商工人の有利な経済活動条件と環境の整備C同胞らの生活と権利を守るための対外活動の積極的な展開−などを呼びかけた。 機構改編、新人事 第2議題の組織問題では、中央常任委員会の機構改編と規約の改定および役員選出に関する小委員会が構成され、各案件を提案、討議し、本会議で採択した。 機構改編では、中央委員会の専門部署として新たに「民族性固守委員会」「女性局」「広報室」を設置し、これまでの総務、文化宣伝、団体の各局を統合、調整して「総務局」に、国際、統一運動の両局を合わせて「国際統一局」にすることを決定した。 「民族性固守委員会」は、総連の専門組織の代表、専門知識と経験、影響力のある同胞らで構成し、その事務局を中央常任委員会の専門部署として置く。同委では啓蒙事業、各種イベントの開催、「民族性を守る在日同胞の会」(仮称)の旗揚げ、活動支援など、新しい世代を中心に同胞社会での民族性を守る運動を本格的に推進していく。 「女性局」は、女性同盟への指導、同胞女性の各分野への進出支援などを通じて、その地位と役割の向上に努める。 「広報室」は事務総局内に設けられ、情勢と内外の動向を分析、総連の対応策を講じ、記者会見や談話発表などを行う。 規約も一部改定され、中央常任委員会の専門部署は、7つの局、3つの委員会、1つの事務所、2つの室(うち情報通信推進室は常任委員会直属)で構成されることになり、人事も発表された。 同胞の期待に応える 結語を述べた徐議長は、朝鮮を取り巻く国際情勢について具体的に言及し、朝米関係が解決すれば朝・日、北南関係も前進すると指摘し、朝米関係は朝鮮が「新しく大胆な解決方途」を示した先の北京会談を機に、新たな段階に突入したと強調した。また朝・日関係が前進すれば、平壌宣言でうたわれた在日朝鮮人の地位についても新たな展望が開かれるほか、商工人の企業活動や民族教育などにもよりよい環境が整えられるだろうと語った。 最後に議長は、総連中央は活動家と同胞らの期待に応えていく、とあらためて強調した。 [朝鮮新報 2003.5.10] |