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支部委員長のつぶやき

私にとっての「民族学校」

 留学同の支部委員長を務める私に、「毎日毎日チョコレート(日本社会)ばっかり食べていたら飽きるでしょ。たまにはちょっとおせんべい(在日社会)とかも食べたくなるじゃん、だからするのでしょ?」「日本社会も在日社会も、それぞれ違う楽しみがある。目の前に2つの楽しみがあれば、拾わなきゃ損でしょう。道端に1000円札と500円玉2枚が落ちている様なものだし。あんたは欲張りなので、両方を拾ってしまうの。だからするのでしょ?」などと聞く人がいます。

 私はそれに対して断固「NO!」と声を上げます。留学同は決しておせんべいでも1000円札でも500円玉でもありません。12年間の民族教育を終え、日本の大学に通う私にとっての「民族学校」なのです。

 正直言って留学同は楽しい、だから出ていると言う人もいます。ただ楽しいだけではなく、勉強にもなります。

 朝高出身である私は高校を卒業するまで在日の社会の中で暮らしてきました。朝鮮人だから在日社会を学ぶ事は大事だと思います。しかし、「ここは日本だ。在日だからこそ、在日社会だけではなく日本社会についても学ばなければならない」との思いから日本の大学に進学する決心をしました。1年間の浪人生活を経て日本の大学に入学。日本を理解しようとして、日本を語れるようになろうとして、「解決」したことは、結局何もありませんでした。民族教育を終えれば、その地点で民族心を学ぶことも終えたと思っていた私の考えは間違いだったのです。

 そんな私に、「朝鮮人であることを学ぶことに終わりはない」ということを教えてくれたのが留学同でした。

 これからも自分に足りないものを学ぶ良い機会として、留学同活動に積極的に取り組んでいきたいと思っています。(夫誠哲、明治大3年)

[朝鮮新報 2003.5.19]