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心の柱はウリハッキョ−京都朝高セセデ連合同窓会

 母校の発展を願う卒業生らによる同窓会組織が各地で結成され、活発な運動が展開される中、京都では10代から30歳までの卒業生を対象にした「京都朝高セセデ連合同窓会」(金泰之会長=30)が結成された。地域同胞社会を担う若い世代のネットワークを構築し、母校、地域の発展に尽くしていくのが目的。5月18日の同校創立50周年フェスティバルおよび発足会には、600人を超える卒業生が集った。「まずは集まり、青年たちの要求、メリットを追求しながらネットワークを拡大しつつ、同時に母校の発展に寄与していく。そしてゆくゆくは子どもをウリハッキョに送ってくれれば」と関係者は語る。

卒業生の誇り抱く

 同校の卒業生は京都府下同胞の8分の1を占め、約5000人にのぼる。その若い世代を網羅していくセセデ連合同窓会の活動は、京都同胞社会の今後を左右する重要な位置を占めている。

 まずは「集まる」ことが重要だが、参加者らは今回、何を求めて発足会に参加したのだろうか。

 卒業から9年、金成奎さん(27)は、「厳しい情勢だからこそ、同窓生のつながりを強めながら上下の関係を拡大していく過程で、同胞社会の発展のために何ができるかを模索することができる。明確なのは、今回集まった趣旨は学校のために何かをする≠ナある」と語る。

 金純男さん(24、金剛保険勤務)は、「母校というのは世代を超え集える場。さまざまな情報交換の場にもなる。同時に、小さなことからでも母校のために何かしていければ、卒業生としての誇りを抱くこともできる」と強調する。

現状を打開

 こうした意見は、会のあちこちで聞くことができたが、関西大学に通う王庚彦さん(23)は、集うことの必要性についてこう強調する。

 「日本社会の中で生活してみると、つい自分を見失いがちになってしまう。だからこうした場が重要。自分を再確認していく過程で、生き方も見つけられるのでは」

 朝鮮人として生きていくうえで母校を心の支えにしていこうという王さんの言葉は、核家族化が進み、同胞、組織離れといった現象が表れている中で、これから家庭を築き生きていく若い世代に求められていることでもある。そして王さんは、「ウリハッキョがなければ同胞社会もなくなってしまう。だからハッキョを守っていくのだ」と述べていた。

多彩な行事に参加

 同窓会では今後、京都民族教育対策委員会が提起した「民族学校の処遇に関する3万人署名運動」への協力、9月末の創立記念「大運動会」(広告掲載も)や、11月の「京都同胞祝賀宴」への積極的な参加、同じく11月の「芸術発表会」に大合唱団として出演することなどを予定している。

 また各期幹事会を正常運営し、府下の各学校への奉仕活動(掃除、草刈など)も行っていく。

 金裕さん(23、会社員)は「連合同窓会の役割、ウリハッキョを卒業した者がこれから何を心の柱にしてどのように生きていくべきかを、連合同窓会を通じて探していきたい」と述べ、朴成俊さん(23、会社員)は、「若手の卒業生が一つに集える場ができ、本当にうれしい。1000人を超えるセセデ連合同窓会は、その存在自体が京都の同胞社会、コミュニティー形成において非常に大切な意義を持つだろう」と期待をふくらませていた。(盧琴順記者)

[朝鮮新報 2003.6.27]