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朝鮮学校を正式な学校に−大阪、愛知、広島の同胞、日本市民ら文科大臣に23万9000人分の署名手渡す

河村副大臣に処遇改善を要望する代表ら (16日、文部科学省)

 昨年朝鮮学校の処遇改善を求めて署名運動を進めた大阪、愛知、広島の代表が16日、東京・虎ノ門の文部科学省を訪れ、朝鮮学校を学校として正式に認可し私学助成、大学受験資格を与えることなどを求めた遠山敦子大臣あての要望書と3カ所で集めた合計23万9359人分の署名を河村健夫副大臣に手渡した。河村副大臣は、「国際化、教育の機会均等という大きな観点から考えていきたい」と答えた。

 朝鮮学校の関係者が文部科学省に処遇改善を求めるのは1997年4月に小杉隆大臣(当時)に20万人分の署名を渡した大阪に続くもの。

 大阪、愛知の在日朝鮮人民族教育対策委員会メンバーと、「民族教育の未来を考える・ネットワーク広島」の有田耕事務局長、城北朝鮮初級学校オモニ会の文貞美会長ら8人が要望に訪れた。文部科学大臣政務官の池坊保子・衆院議員(公明)が同席した。

大阪・愛知・広島の同胞と日本市民が集めた約24万人分の署名

 金憲信・大阪対策委委員長は、日本社会で国際化が進み国際理解教育が重要性を帯びているなか、外国人学校は地域で役割を果たしているにも関わらず、差別を受け不平等な状況に置かれていると指摘。日本弁護士連合会が98年2月、朝鮮学校は日本の学校教育法、国際基準に合致した教育を行っていると、日本政府に差別是正を勧告したことや、国連の各種条約委員会も差別をなくすよう勧告した事実に言及した。

 そして、@朝鮮学校、外国人学校を正式に学校として認め日本の学校と同等の卒業資格を与えるA国公私立などすべての大学への受験の道を開き、私学助成を認めるB公立学校における民族学級の制度的保障を実施するC在日コリアンの子どもたちに対する嫌がらせが再発することのないよう具体的な措置を講じる−などを求めた要望書を提出した。

 昨年9月の朝・日首脳会談以降、各地で在日の子どもに対する嫌がらせが続いているが、東大阪朝鮮中級学校の生徒が現在の思いを綴った作文も手渡された。

 保護者の文さんは、「朝鮮の子でも日本の子でも子どもは宝だと思う。子どもたちが置かれた状況を察し、外国人にとって住みよい環境を整えてほしい」と嘆願した。

 河村副大臣は、朝鮮学校が日本の学校教育法上、各種学校の枠に押し込められ、さまざまな不利益を被っていることについて、「日本人、外国人のいずれも教育を受ける権利がある。国際化、教育の機会均等という大きな観点から考えていきたい」と話した。

 席上、河村副大臣は焦点となっている外国人学校出身者の大学受験資格問題について、「朝鮮、中華学校もインターナショナル・スクールと一緒に認められるべきだと思う」と前向きな見解を示した。

 文部科学省は昨年3月、インターナショナル・スクール卒業生が大学受験の要件となっている大学入学資格検定試験(大検)に合格しなくても日本の大学や高等学校を受験できるよう措置を講じることを決めた(「規制改革推進3カ年計画」)。しかし、インターナショナル・スクールに朝鮮、中華学校が含まれるのかについては「検討中」との立場だ。3月まで結論を出す。

 昨年12月12日に発表された同会議の「第2次答申」は、受験資格問題を解決するため、「インターナショナル・スクールについては、その定義を明確化したうえで、学校教育法第1条校に基づく私立学校に準じた取扱いとなるよう各種の支援措置が取られるべきである」とさらに踏み込んだことから、インターナショナル・スクールの定義について注目が集まっていた。

[朝鮮新報 2003.1.18]