戦争責任問う裁判、国内外で40件以上−東京でフォーラム |
第5回公開フォーラム「戦後補償裁判の現況と今後の課題2003−2002年戦後補償裁判の到達点と今年の課題−」が17日、東京・霞ヶ関の弁護士会館で行われ、日本、米国の法廷で日本政府の戦争責任を追及している弁護士、関係者ら120人が集まった。 現在、日米で40件以上の訴訟が起きているが、20年以上が経過すると損害賠償請求権が消滅すると定める民法の「除斥期間」や「国の権力的作用によって損害が起きても国は責任を負わない」とする旧憲法下で採用されていた国家無答責の法理に阻まれている。 集会では、多くの訴訟が裁判所の壁に阻まれながらも、15日に中国人強制連行の国家、企業責任を問うた京都地裁で、国家無答責の法理が否定されたことや、同様の訴えをした西松訴訟で除斥期間が否定される(福岡地裁、昨年4月)など、前進があったことが報告された。まとめをした藍谷邦雄弁護士は、「決定的な解決には至っていないが、突破できる余地がある。京都や福岡の勝利を裁判所の考え方として定着させよう」とさらなる運動を呼びかけた。 また昨年12月、日本軍性奴隷被害者に謝罪と補償を行うことを内容とした「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」の2度目の審議が参議院で行われたことについて、法案作成に関わった岡崎トミ子・参院議員(民主)、吉川春子・参院議員(共産)が発言した。岡崎議員は法案作成にあたってフィリピン、南朝鮮、台湾などの被害国に赴き、被害者と支援団体、国会議員と話し合ったことに触れ、「フィリピンでは多くの被害者が『国民基金』を受け取っているが、日本政府の国家謝罪、補償は求めている。国が正式に謝罪、補償することで初めて正義を回復することができる」と法案の意義を述べた。 朝鮮人強制連行真相調査団の洪祥進事務局長は昨年10月、日本弁護士連合会が朝鮮人強制連行と関連し首相や関連企業に勧告と調査報告書を出したことについて説明。調査報告書の意義は強制連行の「強制」の概念を「肉体的、精神的強制を含む」と定め、日本政府の責任について「人道に対する罪」に違反すると規定したことだと強調した。 [朝鮮新報 2003.1.21] |