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東京朝高女生徒JR埼京線内でチマ・チョゴリ切られる−学校側が記者会見、再発防止を訴える

記者会見で事件の概要を説明、再発防止を訴える具校長ら学校関係者たち(1月30日)

 登校中の東京朝鮮中高級学校女生徒が、制服であるチマ・チョゴリを切り裂かれるという悪質な事件が1月29日朝、JR埼京線の電車内で発生した。被害を受けたのは高1女生徒で、JR大宮駅から学校のある十条へ向かう途中、武蔵浦和駅で乗車してきた若い男に背後から体を押しつけられ、チョゴリの腰の辺りを水平に7センチほど切られた。幸い女生徒にケガはなかった。男は赤羽駅で下車。「男が乗って来た時から異様な雰囲気を感じた。とても恐かったので後ろを振り向いて顔を確認することすらできなかった。とにかく無事に学校に着くことだけを考えていた」(被害を受けた女生徒)。

 朝鮮学校児童、生徒に対する一連の嫌がらせ事例は1月29日現在まで319件が報告されているが(在日本朝鮮人人権協会調べ)、チョゴリが切り裂かれた事件は9.17以降初めて。

 事態を重く見た学校側では同月30日に同校で記者会見を開き、具大石校長が談話を発表。朝・日間の情勢が不安定になるたびにこのような事件が繰り返される現実について言及しながら、「生徒たちは、日本が植民地支配した朝鮮民族の末えい。日本国民の歴史認識の欠如に怒りを通り越して寂しさを感じる。何の罪もない子どもたちが傷つけられることは国際法上からも許されない行為だ。一連の嫌がらせに対し何ら対策を講じてこなかった日本政府と、偏向報道を重ねるマスコミによって招かれた今回の事件に対し、ただちに対策を講じ、朝鮮人に対する差別政策と偏った報道姿勢を是正するよう要望する」と述べた。

 事件直後に女生徒から報告を受けた同校の呉順姫教員(高1副主任)は、「切られた跡はプリーツのひだの上から一直線に伸びており、鋭利な刃物で切られたことは一目瞭然。過去に被害が増幅した事実を考慮し、当初は公表を差し控えようとも思ったが、『二度と同じような事件が起こらないように、しっかりと現状と再発防止を訴えてほしい』との被害生徒の両親の要望もあり、踏み切った。マスコミの良心的な報道を望む」と述べた。

 会見には、朝鮮学校オモニ会中央連絡会の梁玉出代表、同校教員らが同席。被害状況について説明しながら再発防止を訴えた。なお学校側では今週、首相官邸に嫌がらせ防止を求める要望書を提出する予定。(李明花記者)

具大石東京中高校長の談話

[朝鮮新報 2003.2.4]