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〈外国人学校卒業生の受験資格問題〉 差別の意思示す

矢花公平(弁護士)

 文部科学省の今回の方針は、憲法、国連人権規約に反し、また国連の子どもの権利委員会の勧告に反する重大な決定であり、強い怒りを覚える。

 日弁連は、この問題を調査したうえで重大な人権侵害行為であると認定。98年2月に日本政府に対し、朝鮮学校を含め、一定の用件を具備するすべての外国人学校に対して早急に受験資格を認めるよう是正勧告を出した。同年6月には、国連の子どもの権利委員会が朝鮮学校への差別的取り扱いを集中的に審議したうえで、彼らへの差別的な取り扱いについて全面的に調査、解消するようにとの勧告を出している。

 朝鮮学校卒業生の大学入試差別は、すでに多数の私立、公立の各大学では改善されており、国立大学のみが文部科学省の思惑を気にして是正をまったくしていないという状況が長く続いている。一日も早い是正が各界から強く求められていたのである。

 しかるに今回の文部科学省の方針は、単に時代に逆行しているだけではなく、朝鮮学校生徒に対するいわれなき嫌がらせが続く中で、それを是正すべき立場の同省が自ら朝鮮学校を差別する意思をあらためて明確に示したものであり、とうてい是認することはできない。

[朝鮮新報 2003.2.27]