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外国人学校卒業の子どもに国立大学の受験資格問題−各界人士の声

教育保証する責務がある−吉川春子(参議院議員、共産)

 外国人学校卒業の子どもに国立大学の受験資格を認めることは当然のことと考えています。すでに私立大学には受験でき、何の支障も問題もおきていません。

 そもそも、在日外国人の子どもにその子どもが住んでいる国の政府が教育を保証することは、国連人権規約および子どもの権利条約が明記していることです。

 また、その教育には「児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文化と異なる文明に対する尊重を育成すること」(子どもの権利条約29条C)が含まれます。

 こうした教育を保証する責務があります。

欧米中心の論理、理解できない−瀬地山角(東京大学助教授)

 報道が事実なら大変残念だ。

 英米の学校評価機関に認知されたインターナショナル・スクールにのみ大学、高等学校への受験資格を認めるという、欧米中心の論理がアジアの中で通用すると強弁すること自体が理解できない。

 政府が国内最大の民族集団をこういった形で差別するなど、先進国ではあってはならない行為である。

 国立大学に勤めるものとして大変恥ずかしい。

国連などの勧告を無視−金東勲(龍谷大学教授)

 日本政府が締約国となっている国連の子どもの権利条約や人種差別撤廃条約に照らして見ても、日本政府は差別をなくす当然の義務をおっている。さらに、これらの条約の審査機関が民族学校に対する制度的差別を是正せよと、日本政府に再三、勧告を出しているにもかかわらず、これを無視し、新たな差別を生み出そうとしている。3月まで国会で質問もし、とくに文教委員らに民族学校を除外しようとする動きを止めるよう要求していかなければいけない。外国人学校の権利問題を真しに考える国会議員らと協力し政府が公正な判断を下すように働きかけねばならない。

[朝鮮新報 2003.3.1]