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受験資格・差別は許せない−各界人士の声

村井謙一(日教組組織局国際担当)

 朝日新聞の記事が出た直後の月曜日に、日教組が文科省に行き問い合わせたところ、「同記事については、昨年3月の閣議決定を受け、今年度中に措置することとされており、現在検討途上であり、なんら決定したものではない」との回答でした。今回の問題について「国籍によって差別扱いをしないよう、政治情勢と教育の問題は切り離して検討すべきである」との申し入れを行いました。

 今回の報道にあるようにインターナショナルスクールだけに大学入学資格を認めるようなことになれば、それは今まで以上の重大な人権侵害と言えます。

 日本の学校と同じ教育水準を持っている、日本に定住する朝鮮学校をはじめとする民族学校や外国人学校の生徒たちの教育を受ける権利、大学入学資格を認めるのは、国際社会の一員としての日本の当然の責務だと思います。

 現在の複雑な混迷を深める日朝関係は、在日の子どもたちの教育権とは全く関係のないものであり、日本政府も、次世代を担う若者の教育に努力して行かなければなりません。

 一日も早く民族学校に学校一条校適用が行われ、大学への入学資格が得られるよう働きかけを強めていく必要があります。

金秀先(広島朝鮮初中高学父母)

 朝日新聞の記事を見て、娘が「日本は欧米しか好きじゃない。アジアの国と手をつなぐべきなのに、差別だ」と憤慨した。民族差別であることは子どもでも一目瞭然なのだ。こんな露骨な民族差別を行い、日本政府は国際社会に対して恥ずかしくないのだろうか。

 在日同胞はいつも政治に翻弄されてきた。とくに最近の一方的な報道のため、子どもたちも傷ついている。その子どもたちに大学受験資格さえ認めないというのだ。政治と教育は切り離して考えられるべきであろう。

 私は民族教育を受けていないがために、自分の存在を否定的にしか考えられなかった。子どもたちには誇りと夢を持って生きてほしいと切実に思う。

金英玉(愛知中高オモニ会会長)

 日本政府は私たちをこの社会から締め出そうとしているのではないか。口ではそう言っていないが、行っていることはそう考えないと説明がつかない。インターナショナルスクールと朝鮮学校とどういう違いがあるのか。朝鮮学校の教育内容が日本学校に比べて何らそん色がないことは日本人も認めている。

 今回の問題は在日朝鮮人の人権そのものにとっても大きな危険性をはらんでいる。私たちは日本人と同じように日本の法を守り税金も払っている。なのになぜ日本政府は私たちの首をこれほどしめようとしているのか。どういう状況になっても民族教育は守っていかなければならない。文部科学省の方針が覆るよう闘っていきたい。

[朝鮮新報 2003.3.11]