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〈大学受験資格問題〉 広がる国立大教授賛同署名、84大学1436人に

 公私立大学の過半数以上が外国人学校出身者の受験資格を認めているなか、「朝鮮学校は各種学校だから資格がない」とする文科省の立場を補完し、一切認めてこなかったのが国立大学だった。今まで一部の国立大で資格を求める動きはあったが、文科省が欧米系インターナショナルスクールのみに受験資格を認める方針を明らかにしたことを機に、「民族差別に加担しない」ことを表明する動きが急速に広がっている。

 京都大学の水野直樹教授、駒込武助教授らが3月2日、全国の国立大学教職員に呼びかけた声明には1週間で尾池和夫・京都大学副学長ら1000人近くが賛同した。その後も賛同者は増え続け、28日現在、99ある国立大学中85%の84大学、1436人が賛同している。賛同者を募るホームページ(http://www.jca.apc.org/~komagome/seimei_index.html)に寄せられたメッセージを紹介する。

 「アジア人差別の克服なしに21世紀の国際化はありえないでしょう。男女共同参画社会基本法などが作られている一方で、このような民族差別、人種差別を行政機関が行い続けるということは、国際社会の中での日本政府の立場がまさに問われる事態と言えると思います」

 「この声明の批判対象は、『日本の教育における民族差別』であり、すべての大学教員が呼びかけられている主体であると認識すべきです」

 「文科省も大学も『国際化』を柱とし、留学生増加を『国是』としています。なのに、足元の日本国内の民族学校出身者を排除することは、明らかに矛盾しています。英語で教育すれば国際化するという幼稚な認識ではなく、多様な学生を受け入れることもまずは『国際化』の入り口ではないでしょうか。このような文科省の方針は、声高に叫ばれる大学や教育の『国際化』が一色でかつ矛盾に満ちたものということを自ら示すことになっているのです」

[朝鮮新報 2003.4.1]