すべての外国人学校に大学受験資格を−東大でシンポジウム開く |
「すべての外国人学校に大学入学資格を! ―多民族、多文化共生をめざすシンポジウム」(主催=「すべての外国人学校の大学入学資格を求める実行委員会」、代表=田中宏・龍谷大教授)が12日、東京都目黒区の東京大学駒場キャンパスで行なわれ、在日、日本の大学生をはじめとする同胞、市民ら179人が参加した。同シンポジウムは、東京大学をはじめとする国立大学教授らが中心となって呼びかけたもの。 シンポジウムでは田中宏・龍谷大教授が「外国人学校『問題』の現段階」と題し基調報告を行ったほか、東京朝高の朴龍浩教員と高正光くん(高3)、フランス人学校のリセ・フランコ・ジャポネ元保護者のデレウゼ好子さん、子どもをインターナショナルスクールに通わせる大妻女子大の鄭暎惠教員らがそれぞれの外国人学校で体験した日本政府の差別政策による制度的、経済的差別の現状について証言した。 高くんは「池坊保子・文部科学省政務官が5月に僕たちの学校を訪問すると述べたが、とても期待している。これからも最後まで権利獲得のためにたたかっていきたい」と述べた。ベルギー国籍の男性と結婚、父母双方の言葉と文化を与えたいとの思いから子どもをフランス人学校に送ったデレウゼ氏も「日本の学校に通う子どもたちと同じ出発点に立たせてほしい」と述べた。 つづいて、多文化共生センター・東京21の王慧槿さん、2003年在日宣言委員会の金栄さん、東京大学の高橋哲哉教授が深刻な民族差別の重大性について警鐘を鳴らした。高橋教授は「すべての世代が仲良く暮らしていけるように、民族差別という巨大な壁をぶち壊していきたい」と決意表明した。 最後に、国立大学教職員による署名運動の経過と今後の問題点について述べた瀬地山角・東大助教授は、「国立大の教員として、自分自身も加害者であるとの立場から運動しながら、一国立大教員が声を上げるだけでは解決は難しいと感じている。今後は東大、京大などが中心となって国立大学全体として運動を進めていくべきでは」と述べた。シンポジウムでは、すべての外国人学校に大学入学資格と財政措置を求める特別アピールが発表された。 [朝鮮新報 2003.4.14] |