差別是正へ全力を−4.24阪神教育闘争55周年記念兵庫県民族教育権利フォーラム |
4.24阪神教育闘争55周年記念「兵庫県民族教育権利フォーラム」(主催=兵庫県民族教育対策委員会)が24日、兵庫県神戸市のピフレホールで行われた。同フォーラムは、在日朝鮮人の民族教育権獲得運動の原点ともいえる阪神教育闘争から同胞1世の苦難の歴史と不屈の闘争精神を学び、外国人学校卒業生の国立大学受験資格問題をはじめ、現在の民族教育を取り巻く状況、今後のあるべき姿をともに考えようと企画されたもの。(李明花記者) 右傾化する日本社会の現状について講演したフリージャーナリストの斎藤貴男さんは外国人学校の受験資格問題について、「文部省(当時)の65年通達が今に生きている」と指摘。在日1世で阪神教育闘争体験者の李聖徳さん(80)は、「貧しい生活のなかから汗と涙の結晶として建てた学校を守るため55年間たたかってきたが、日本政府自らの決定によって行われた民族教育支援はひとつとしてなかった。4.24阪神教育闘争当時の状態が今も依然として続いていると言わざるを得ない」と日本政府の変わらぬ差別政策を痛烈に批判した。 つづいて大阪大大学院生の文鐘聲さん、神戸朝高3年の李真衣さん、尼崎初中保護者の鄭多順さん、弁護士の空野佳弘さんらが発言。李さんは、「朝鮮学校に通っているというだけで、『夢』を実現するにも遠回りしなければならないのか。日本社会でも在日コリアンとして堂々と生きていけるよう、民族差別をなくしてほしい」とチョゴリ姿で訴えた。 フォーラムでは、日本政府、文部科学省に対し「すべての外国人学校に大学入学資格と財政措置を求める特別アピール」が採択された。主催した民族教育対策委員会では4月末から10万人署名運動を展開している。金聖文委員長は、「6月末には文部科学省を直接訪れ、集めた署名をアピールとともに提出する予定。同方針の撤回と民族差別是正のため、これからも全力でたたかっていきたい」と述べていた。 [朝鮮新報 2003.5.30] |