誠意ない対応に怒り、保護者ら連日抗議−敷地の70%が日陰に |
「児童の日照を奪わないで」−名古屋朝鮮初級学校に隣接するJR東海敷地に関連会社のJR不動産が何の合意もないままに建設を推し進めている高層マンションをめぐり、地域同胞、保護者らが建設反対を訴えて運動を繰り広げている。(李明花記者) マンションは、JR不動産がJR東海の敷地内に建設中。昨年末まで同社の4階建ての社宅があった場所で、計画では7階建て2棟と4階建て1棟が来年6月頃に完成し、社宅として使われる予定だ。 隣接する名古屋初級との境界から建物まではほんの1.9メートルにしかならず、そのような場所に20メートル超の建物ができれば、@敷地の70%が日陰になるAビル風で運動場のほこりが舞い、子どもたちの健康が心配されるB子どもたちが精神的圧迫感を受ける―など、児童の教育上計り知れない悪影響をおよぼすことは一目瞭然だ。「近隣の小学校の周辺には高い建物がない。朝鮮学校だけがこのような環境に置かれるのに保護者や教職員たちは怒りを感じている。幼稚班を含め、9年間も暗い学校に通う子どもたちの気持ちを考えてほしい」(李章哲校長) 2002年12月24日、JR東海不動産会社の担当者が同校を訪れ、「JR東海と賃貸借契約を結んだ」としながら高層マンションの建設計画を一方的に通知。同校保護者、教職員らによる反対にもかかわらず2003年5月21日、一方的に工事は開始された。JR東海の葛西敬之社長は同月26日に行われた記者会見で、「日照権の問題で意見があるのだろうが、手続きを踏んで計画を進めたい」と述べた。その手続きすら踏まれないまま工事は現在も着々と進められている。 世論の喚起が不可欠 同校保護者、地域同胞たちは毎日のように学校に集まり、JR名古屋駅や建設現場周辺でのビラまき、署名運動、抗議電話など反対運動を繰り広げている。また学校側では弁護士に問題の解決を依頼し、代理人を通じた交渉の継続を要請している。 「そもそもの発端は朝鮮学校を学校として認めない市と企業側の無知と差別意識にある」(李永基、教育会会長)。朝鮮学校が大企業の圧力によって押しつぶされようとしている今、世論の喚起が不可欠だ。 [朝鮮新報 2003.6.7] |