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〈JR東海高層マンション問題〉 保護者たちの怒りの声

 徐朝美オモニ会会長(43) 学校側から初めて話を聞いたのが4月。「寝耳に水」だった。「建設が決まりました」と一方的に報告するJR側の対応からは、学校への配慮が微塵も感じられない。工事開始の通知さえファクスで届いたほどだ。一体彼らは子どもたちの一生をどう責任取るつもりなのか。子どもたちに何かあってからでは遅い。一時、一瞬でも子どもたちの将来に影を落としたくないというオモニたちの気持ちをJR側は理解すべきだ。

 李美鈴さん(40) 「マンションが立ってしまったら取り返しのつかないことになる」と毎日胸が詰まる思いで反対運動に参加している。同校には毎日片道2時間をかけて幼稚班に通う児童もいる。朝学校に送り出してから夕方やっと帰って来る子どもの姿を目にするまでオモニたちは一時も心休まる時がない。また、日本政府の差別政策により金銭的負担を強いられているなか、それでも朝鮮学校に通わせるのは、子どもを朝鮮人として立派に育てたいと思うから。そんな保護者たちの思いがつまった学校の環境をこれ以上奪うというなら、工事の現場で体を張ってでも阻止したい。

 元美華さん(35) 「行かずにはいられない」との思いから毎日のように反対運動に参加しているが、こちらの言い分に耳を傾けようともしないJR側の対応には、完全になめられているとしか言いようがない。毎夜、このことを考えると心配と悔しさで涙が止まらない。朝鮮学校で学ぶ子どもたちは、これからの日本社会に貢献していく人材だ。朝鮮学校が戦後50年以上存在し、多くの卒業生が日本社会をはじめ世界で活躍しているこの時代に、いまだに残る行政と企業の認識の欠如にはあきれてものもいえない。

 同胞と結婚、子どもを同校に送る堀内眞由美さん(35) JR側の誠意のみえない対応は人間としてのモラルに欠けている。日本人としては憤りを感じるし、同胞のみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。JR側は「合法的だ」としているが、日本の学校ではありえないこと。日本の教育施設を認めた場合、まず建設計画を立てる段階から、隣接する場所に高層ビルを建てるということは考えないだろう。また、仮に同じようなことが日本の学校で起きた場合、地域の住民たちが黙っていないだろう。「朝鮮学校の問題」とする地域の無関心さも感じる。

[朝鮮新報 2003.6.7]