〈朝鮮学校の助成金、受験資格問題〉 福岡県下朝鮮学校が県弁護士会に人権救済申立 |
福岡県内の朝鮮初、中、高級学校と朝鮮幼稚園代表、保護者代表8人が9日、「教育助成、国立大学受験資格などで日本の学校と待遇格差があるのは人権侵害」だとして県弁護士会に人権救済を申し立てた。北九州初中、福岡初中、筑豊初級、九州朝高、小倉朝鮮幼稚園の5教育機関の校長と保護者代表で、麻生渡県知事、福岡、北九州、飯塚市長らに対し、@県下朝鮮学校に支給している1491万8000円(年間)の教育助成金を私立学校並みに増額A朝鮮学校に対する寄付金の税制優遇措置をとるよう日本政府、文部科学省に働きかけB朝鮮学校校舎の建築、改築、補修に関する補助金(臨時金、一時金)の支給C朝高卒業生に国公立大学の受験資格を認めるよう日本政府や文科省に働きかけ―を求めている。 この日、金光正九州朝高校長をはじめとする代表らが県弁護士会館を訪れ、人権擁護委員会に人権救済申立を提出。その後同会館で開いた報告集会と記者会見には、入江種文県会議員、中村元気県教職員組合委員長、平和、人権、環境福岡県フォーラムの前海満広事務局長、津留雅昭弁護士、オモニ会役員をはじめ同胞ら50人が参加した。 金校長の報告に続き連帯のあいさつをした県教組の中村委員長は、「朝鮮学校が日本政府の差別によって困難な状況にあるのは、日本人自身の問題だ。市民と力をあわせ、支援していきたい」と決意を語った。 九州朝高生の朴成尹さん(3年)は、「朝鮮学校は朝鮮語や民族の歴史と地理を学ぶほか、数学や英語も学ぶ内容は日本学校に劣らない。なぜ受験資格がないのか。民族差別に怒りがおさまらない」と思いをぶつけた。 福岡県は、92年から「私立外国人学校教育振興費補助金」を県下朝鮮学校に支給しているが、使途制限のない経常費ではなく、国際交流に資するためという制限付きのものだ。他の都府県と比べても低水準にあり、保護者の経済的負担は重い。【福岡支局】 [朝鮮新報 2003.6.17] |