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岐阜県朝鮮人強制連行調査団、兼山ダム建設犠牲者の埋葬許可証発見−北南に資料送り遺族確認へ

16人の遺骨が納められている共有墓地

 朝・日合同の岐阜県朝鮮人強制連行真相調査団は2日、総聯県本部で記者会見し、第2次世界大戦中、八百津町の兼山ダム建設に携わったと見られる朝鮮人労働者とその家族計16人の埋葬許可書の写しを発見したことを明らかにした。

 同調査団によると、兼山ダム建設工事は1940年ごろが最盛期で、近くの八百津町和知地区には多くの飯場があり、日本人と朝鮮人合わせて約250人が生活していた。埋葬許可証は和知地区の等覚寺に保管されていた。

 埋葬許可証の16人は、1939年から42年の間に死亡した子ども15人と37歳の男性。氏名や本籍、当時の住所や死因などが記されており、住所欄には、9人が慶尚北、南道と書かれ、ほかは和知の住所の後に「間組飯場」などとある。死因は「栄養不良症」「急性肺炎」「生育薄弱」などとあり、同調査団朝鮮人側事務局の朴美順さんは「劣悪な労働条件がうかがえる」と話している。

 調査団では今年5〜6月、県内で強制連行があった地区にある140カ所の寺院に「過去帳に戦前の朝鮮人と思われる人の名があるか」「遺骨はあるか」などの質問事項を往復はがきで送った。これまで81通の返事があり、うち13通に過去帳に記録があるとあった。等覚寺には埋葬許可証も保管されていた。遺骨は同町の共有墓地に納められている。

 調査団では調査結果を北南朝鮮に送り、遺族の確認を行うという。【総聯岐阜県本部】

[朝鮮新報 2003.8.7]