〈大学受験資格問題〉 文科省の制度「弾力化」は新たな差別生む「方針」と総連中央゙令鉉副議長 |
文部科学省は6日、外国人学校卒業生や高校中退者が大学入学資格検定(大検)を経なくても受験できるよう制度を弾力化する方針を発表した。方針は、一部の外国人学校には卒業生全員に資格が自動的に付与されるのに対し、朝鮮学校は「本国において正規の課程(12年)と同等と位置付けられているかどうか、公的な確認が困難」(大学課)として、各大学の個別審査にゆだねるというもの。これに対し、総連中央の゙令鉉副議長は同日、次のような談話を発表した。 今回、文部科学省が示した「方針」は、アジア系民族学校排除という差別的方針の撤回を求めた私たち朝鮮学校ならびに外国人学校関係者、そして各界各層の広範な国民世論と期待に応えたものとはいえない。 今回、文部科学省は、民族教育に対する差別の根本的な解決を避けたばかりか、朝鮮学校を「外国人学校の取り扱い」から除外し、「大学による個人の多様な学習歴等の個別審査」なるものを設け、朝鮮学校卒業生をその対象とすることで、新たな差別をつくりだそうとしている。朝鮮学校を外国人学校としてすら取り扱おうとしないことは、あまりにも理不尽であるといわざるを得ない。 私たちは一貫して、日本当局の責任において、教育の機会均等をうたった「日本国憲法」と「教育基本法」にのっとって民族教育に対する不当な差別政策を是正し、アジア系民族学校だけを排除するような時代錯誤の方針を撤回し、すべての外国人学校卒業生に同等の権利と資格を与えることを求めてきた。 朝鮮学校ならびに朝鮮学校卒業生に対する差別については、すでに日本弁護士連合会や「人種差別撤廃条約」などの人権に関する国連の各条約委員会がその不当性を指摘し、その是正を日本政府に勧告している。 私たちは、文部科学省が日本における民族教育と朝鮮学校卒業生の大学入学資格を正式に認めるべきであるとあらためて強く求めるものである。また、中央教育審議会大学分科会が良識をもって公正な判断をすることを要望する。 [朝鮮新報 2003.8.9] |