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兵庫県宝塚市の朝鮮学校児童保護者補助金の予算減額案の撤回求め同胞、日本市民ら反対運動展開

 本紙既報のように、兵庫県宝塚市が財政難を理由に来年度予算案から福祉、教育部門など180項目の補助金を一律3割減額する案を発表。その中に朝鮮学校初級部生徒に対する保護者補助金(1人当たり年額14万円)も含まれていたことから、現在伊丹初級学校(昨年宝塚初級と統合)に児童を送る同市在住の保護者ら同胞と、宝塚初級時代から交流を続けてきた日本の団体と市民たちが撤回を求める反対運動を展開している。3日には、伊丹初級の金弘修校長を含む代表らが、7団体と民団も名を連ねた請願書を15人の紹介議員を通じて市議会議長あてに提出した。請願書は9日に開かれた市議会文教厚生常任委員会で、委員全員の異議なしで採択され、今日(17日)の本会議で可決される見通しだ。

6会派代表も

 「朝鮮学校児童保護者補助金の予算減額に反対し、よりいっそうの支援拡充を求める」請願書には、伊丹初級学校関係者、保護者の他、8年前から宝塚市在住外国人の人権保障を求める対市交渉を行ってきた5つの団体(朝鮮問題を考える宝塚市民の会、自治労宝塚市職員労働組合、兵庫県教職員組合宝塚支部、I女性会議兵庫県宝塚支部、部落解放同盟宝塚市連絡協議会)に加え、宝塚市佛教会と日本基督教団宝塚教会の2つの団体、民団宝塚支部が請願人になった。

 また定員30人の市議のうち、全7会派(新風会、市民ネット宝塚、公明党議員団、社会民主党福祉連合、C・S・Pクラブ、日本共産党宝塚市会議員団、グループの星)から実に過半数を占める15人が紹介議員として名を連ねた。その中には6会派の代表も含まれており、市の方針が尋常でないことがうかがえる。

市民の支援の賜物

 9日、市議会第1委員会室で行われた、請願を採択するかどうかを論議する文教厚生常任委員会には、金校長を含む13人の学校関係者と保護者らが傍聴席に座り、成り行きを見守った。

 傍聴者の1人である総連宝塚支部の李相元委員長によると、金校長が請願に対する口頭陳述を約5分間、切実な思いで行った後、質疑応答に入ったという。

 質疑応答では、委員が保護者補助金の支給現況と削減方法について質問。これに対し、教育委員会側から来年度予算から補助金20%カット、再来年度から同30%カットする方針にあるとの回答がなされたという。それを受けて、委員からすぐに採択を求める提案がなされ、参席委員全員の賛成で請願が採択されたという。

 この結果について、学校関係者らは、「市民たちの支援の賜物、保護者と同胞たちの努力の結果だ」とほっとしながらも「白紙撤回まで17日の本会議、そして来年の3月定例議会までを見据えて更なる運動を展開していく」ことを確認しあったという。

ビラ配布、署名活動

逆瀬川駅周辺で行われた朝鮮学校児童保護者補助金削減反対の署名活動

 一方、学校関係者、保護者、同胞らは今回の減額案に反対する運動を活発に展開。8日には宝塚市役所に近い逆瀬川駅で、15日には宝塚駅でそれぞれビラ配りと「朝鮮学校児童保護者補助金削減反対の署名」活動を行った。I女性会議宝塚支部の手束光子支部長と市民の会の田中ひろみ代表代理も応援に駆けつけ、寒風の中、市民たちに呼びかけた。

 また、市民ら各団体も個別に会合などを開き、署名活動、戸別訪問など支援活動に積極的に取り組んでいる。

 伊丹初級オモニ会の石和美副会長(宝塚地域責任者)は、「ビラを受け取ってくれた市民たちから『がんばってください』との励ましの言葉に新たな勇気をもらった。『学校を絶対守っていく』というわれわれ保護者たちの切実な願いを多くの市民に訴えていきたい」と決意を新たにしていた。(千貴裕記者)

[朝鮮新報 2003.12.16]