NPTからの脱退宣言−朝鮮民主主義人民共和国政府声明 |
【平壌10日発朝鮮中央通信=朝鮮通信】朝鮮民主主義人民共和国政府は、米国の悪らつな対朝鮮敵視政策によって民族の自主権と国家の最高利益が極度に威嚇されている重大な事態に対処して10日、声明を発表した。その全文は次のとおり。 現在、朝鮮半島には米国の悪らつな対朝鮮敵視政策により、わが民族の自主権と国家の安全が著しく侵害される危険な情勢が生じた。 米国は、2002年11月29日に続き1月6日、またしても国際原子力機関(IAEA)をそそのかしてわれわれに反対する「決議」を採択させた。 米国のそそのかしによって、IAEAは「決議」で米国の対朝鮮敵視政策の所産である核問題の本質と核拡散防止条約(NPT)脱退の効力発生を臨時停止させたわれわれの特殊地位を無視し、われわれを「罪人」扱いしながら、「核計画」を検証可能な方法で直ちに放棄せよと強迫した。 「決議」の採択に続いてIAEAの事務局長は、われわれが数週間以内にその「決議」を履行しなければ、国連安全保障理事会に提起して制裁を加えると最後通牒まで突きつけた。 これは、IAEAが依然として米国の下手人、代弁人に転落しており、NPTが力でわれわれを武装解除させ、われわれの制度を崩壊させようとする米国の対朝鮮敵視政策の道具として悪用されていることを明白に示している。 とくに、IAEAが今回の「決議」でNPTと朝米基本合意文に乱暴に違反した米国に対しては一言半句もなく、被害者のわれわれにだけ米国の武装解除要求を無条件受け入れ自衛権を放棄せよと強要して、米国から「IAEAは米国が言おうとしていたことをそのまま言った」という評価まで受けたのは、IAEAが標ぼうしている公正さという看板がどんなに虚偽で偽善であるかをそのまま示している。 朝鮮民主主義人民共和国政府は、IAEAの今回の「決議」がわが国の自主権と民族の尊厳に対する重大な侵害になると認め、これを断固と断罪、排撃する。 こんにち、朝鮮半島で平和と安全をかく乱し、情勢を極端な局面へと追い込んでいる張本人はまさに米国である。 ブッシュ政権の出現以降、米国はわれわれを「悪の枢軸」と名指ししてわれわれの制度を否定するということを国策として宣布し、わが国を核先制攻撃の対象に決めつけることにより、公然と核宣戦布告までした。 米国は、朝米基本合意文に系統的に違反したあげく、新たに「核疑惑」を持ち出して重油の提供まで中断することにより、合意文を余すところなく踏みにじったし、朝米不可侵条約を締結するとのわれわれの誠意ある提案と真しな交渉努力に「封鎖」と「軍事的よう懲」威嚇で、「話はしても交渉はしない」というごう慢な態度で応えた。 このような米国が、今やIAEAまで動員してわれわれに対する圧殺策動を国際化したことにより、われわれに対する宣戦布告は実際の行動に移され始め、従って朝鮮半島の核問題を平和的に公正に解決する最後の可能性までとうとう消え去ってしまった。 朝鮮半島に一触即発の危険な情勢が生じた1993年3月、われわれがNPTからの脱退を宣言しなければならなかったのも、ほかならぬわれわれに反対する米国の核戦争策動とIAEAの不公正さのためであった。 米国が必死になってわれわれを圧殺しようとしており、IAEAが米国の対朝鮮敵視政策の道具として盗用されていることが再度明白になった状況のもとで、われわれはこれ以上、NPTの加盟国としてとどまりながら国の安全と民族の尊厳を侵害されるわけにはいかない。 朝鮮民主主義人民共和国政府は、わが国家の最高利益が極度に威嚇されている重大な事態に対処して国と民族の自主権と生存権、尊厳を守るため次のように決定する。 第1に、米国が1993年6月11日付の朝米共同声明によって核威嚇中止と敵対意思放棄を公約した義務を一方的に放棄した状況のもとで、朝鮮政府は同声明によって「必要だと認める期間一方的に臨時停止」させたNPTからの脱退効力が自ずと即時発生するということを宣言する。 第2に、朝鮮民主主義人民共和国がNPTから脱退するのに伴い、条約第3条に伴うIAEAとの保障措置協定の拘束からも完全に脱するということを宣言する。 NPTからの脱退は、わが共和国に対する米国の圧殺策動とそれに追従したIAEAの不当な行為への当然な自衛的措置である。 われわれはNPTから脱退するが、核兵器を製造する意思はなく、現段階においてわれわれの核活動は、唯一、電力生産をはじめ平和的目的に限られるであろう。 米国が、われわれに対する敵視圧殺政策を放棄し核威嚇を中止するなら、われわれは核兵器を製造しないということを朝米間の別途の検証を通じて証明して見せることもありうるであろう。 米国とIAEAは、協議の方法で核問題を平和的に解決するとのわれわれの最後の努力にまで背を向け、われわれをついに条約脱退へと追い詰めた責任から絶対に逃れられないであろう。 [朝鮮新報 2003.1.14] |