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朝鮮でイントラネット完成、平壌、羅先では携帯電話サービス開始

契約者3000人

 【平壌発=金志永記者】携帯電話サービスが、昨年11月から平壌市と羅先市で始まった。設備投資がまだ初期段階のため加入料や通話料が高く、現在の契約者数はおよそ3000人。携帯電話サービスを担当している朝鮮逓信会社の説明によると、サービスは誰もが受けられるという。「今後は設備を充実させ、需要に合った通信能力を備えていけば低料金も可能。また、通信範囲を拡大して今年中には各道所在地と主要高速道路でも使えるようにする計画だ」(ファン・チョルプン朝鮮逓信会社社長)。

 同社では携帯電話のさまざまなサービスも構想中で、プリペイドカード式携帯電話や携帯からコンピューター網に接続、ホームページやEメールサービスも受けられるようにするそうだ。

 固定電話の自動化を実現した朝鮮では今後、移動電話を中心に投資と技術開発を行っていくという。

 携帯電話の方式はユーロで主流の「GSM」(Global System for Mobile Communications。移動体通信システムの標準規格。ヨーロッパをはじめとする多くの国々が標準方式として採用)。ゆくゆくは統一を目指すという意味で、南で使われている「CDMA」(code divisin multiple access。符号分割多元接続。移動体通信の新しい標準方式)方式も導入していく方向だ。

NICにドメイン登録

人民大学習堂のHP

 朝鮮では2000年10月10日に光ケーブルによる全国的な通信網が完成。通信速度を表すバックボーンは中央と各道間で2.5GBで、コンピューター網の構築はこれをベースに着々と進められてきた。

 中央科学技術通報社や科学院発明局、人民大学習堂などの資料基地では数年前からコンピューター網を利用したサービスを提供してきた。しかし、サービスを受ける側はコンピューター網の下部構造が完成していなかったため、電話回線に頼らざるを得なかった。こうした問題も、今回のコンピュータ網の完成で解決された。

 平壌市では現在、コンピューター網普及のために加入料が無料となっている。市内各所にある電話分局に加入を申し込むと、WABやEメールのサービスが受けられる。

 コンピューター網に加入した企業所や個人は、光ケーブル(100MB)、ADSL(8MB)、ダイヤルアップの3つの方法で接続できる。ほとんどはADSLで事足りるそうで現在、国際通信局技術奉仕所ではADSLモデムを販売中で、普及され次第利用料金も設定する。

 現在運営されているコンピューター網は、いわば国家規模のイントラネットで、インターネットとはつながっていない。

 「しかし、国外とのEメールのやりとりは現実的な課題として浮上している」とファン社長。

 同社では現在、インターネットアドレスを管理するNIC(network information center)に朝鮮のドメインを登録する計画で、朝鮮のドメインは「.kp」になる予定だという。同社は今年中のサービス提供に向けて準備を進めている。

 「『苦難の行軍』の時期には経済分野すべてが停滞していたが、逓信部門だけは前進した。従来は、電話をかけても交換手を経なければならなかったが、今は誰もがネットに接続できる土台まで構築した」

 ファン社長は、ここ数年間で成し遂げられた逓信の現代化は、実利重視の事業によって得られた成果だとしながら、「近い将来には市民生活もさらに便利になるだろう」と述べていた。

[朝鮮新報 2003.2.8]