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IAEAの安保理付託決議−「妥当性ない内政干渉」と朝鮮中央通信

 朝鮮中央通信は13日、IAEA緊急理事会で朝鮮の「核問題」の国連安保理付託決議が採択されたことと関連し、全文つぎのような論評を発表した。

 さる12日、IAEAは緊急理事会でわれわれの「核問題」を論議し、国連安保理に付託することを決めたという。

 NPTから脱退したわれわれの地位も知らず、われわれの「核問題」に干渉するIAEAの行動は、万人から嘲笑を買うだけだ。

 われわれはすでに、2003年1月10日付の政府声明でNPT脱退発効の臨時停止を解除すると宣布したことで、条約脱退は法的手続きに沿ってすぐに効力が発生されることになっている。

 われわれがNPTから脱退した以上、われわれとIAEAとの間にはいかなる法律的関係もなく、双方間に存在した保証協定をはじめとする条約上のすべての権利と義務はすべて喪失した。

 したがって、IAEAでわれわれの「核問題」を論議することは、法律上も国際慣例上も妥当性のまったくない内政干渉行為である。またこれは、IAEAが米国の下手人に過ぎないということを、あらためて実証しただけである。

 それを雄弁に語る実例をあげるなら、IAEA事務局長のエルバラダイは米国により朝鮮半島でふたたび「核問題」が発生するや、真っ先に米国務長官を訪ねた。のみならず、米国が国連安保理でのわれわれの「核問題」論議を引き延ばすと発表した直後に、理事会召集を延期した。そして、米国がふたたび安保理付託を主張したのを受けて、12日に緊急理事会を開き安保理付託決議を採択した。

 少なからぬマスコミが、IAEAの一部勢力を「米国の犬」と評するのは偶然ではない。

 こうした実情から、われわれがNPTに残留していても苦しめられるだけなのは明らかであり、われわれが条約から脱退したことは、まったく正しい自衛的措置であることは言うまでもない。

 元来IAEAは国連の一機関として、公正な立場からNPTで規制された自らの義務を履行すべき機関である。このような国際機関が、操り人形のように米国の指令に従って活動する自体、笑うことも泣くこともできない悲喜劇である。

 われわれの「核問題」が米国によって生じ、最悪の状態にまでなったのも米国のせいであることは、すでに世界に広く知られた事実である。

 IAEAが本当に国連の一機関としての使命を果たそうとするなら、米国の孤立圧殺政策に立ち向かい、自主権と生存権を守るためにNPTから脱退したわれわれの合法的権利と措置に対してではなく、この条約の基本精神と朝米間の全ての合意を破棄し、朝鮮半島にこんにちの核危機をもたらした米国の違法行為を国連に提訴すべきである。

 これこそが、IAEAが今からでも国際機関としての信義を回復する道である。このような国際義務を回避するならば、IAEAの存在自体が無意味なものになるだろう。

 IAEAは、今からでも米国の下手人役をやめ、われわれの「核問題」にこれ以上干渉しない方がいいだろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2003.2.18]