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「対北送金」事件は完全なねつ造−朝鮮アジア太平洋平和委員会詳報

 朝鮮アジア太平洋平和委員会(ア太委)は現代グループ(現代)の直接的な協力活動者として、反朝鮮対決勢力が北南民間団体間で行ってきた協力活動を冒とくし、果ては歴史的な6.15北南首脳対面の問題まで持ち出して無理やりこれに結びつけようと策動している状況のもとで9日、その真実を詳報として発表した。

 詳報は、南朝鮮の極右保守勢力がア太委―現代間の経済協力活動の内容について知らないにもかかわらず、自分らのデマに信ぴょう性を付与しようと「北の10億ドル規模の資金要請説」「首脳会談に関連する内密の約定書や覚書の存在説」などを流しているのは、完全な虚偽ねつ造劇であると指摘した。

 詳報は、その実状と真実について次のように明らかにしている。

当然の評価受けるべき

 第1に、北南関係の特殊性を反映した現代の協力活動は、民族の当然の評価を受けるべきであり、「対北送金問題」は決して「司法処理の対象」になり得ない。

 ア太委―現代間の合意書にも言及され、内外が認めているように、北南関係は、民族内部問題でありながらも北と南で2つに分かれて暮らしているという二重性を帯びており、単一民族であるが外部勢力によって強要される対立と対決の火種がいまだに残っている特殊な関係である。

 北側は、名山中の名山である金剛山と遺跡名勝地である開城工業地区を現代側に提供し、その他に鉄道、電力、通信など基幹産業分野の活動権も譲り渡した。

 現代側も、人道主義と同胞愛の精神から天災を被った共和国の人民に大量の食糧を支援し、農畜産業に利用する1000余頭の牛を寄贈するなどの活動を行った。

 ア太委―現代の協力活動自体が相互間の実利確保と財政保証を前提にする経済取引の形態を帯びることになるので、両者の間で資金取引が行われるのは至極自然なことであり、双方は互いの必要によって前払い金であれ、保証金であれ財政取引方式の選択権も当然、持つことになっている。

 われわれは、現代側との直接的な協力活動者の権利からして、民族の和解と団結に寄与した現代側の協力活動に対して全民族が高く評価すべきであり、彼らの義に徹している壮挙が反統一勢力の党利党略によって犯罪視されては絶対にならないと認める。

ハンナラ党の密使派遣

 第2に、ハンナラ党をはじめ南朝鮮の極右保守勢力は、北南関係問題を政略目的に悪用しようとする対決騒ぎを直ちに中止し、それに対して民族の前で謝罪しなければならない。

 「対北送金」についてあえて論ずるにしても、ハンナラ党には口が百あっても言うことがない。

 率直に言って、彼らは「国民の政府」出現以前から各ルートを通じてわれわれに高位級の接触を提案し、自分らの請願を聞き入れるなら、数百億ドルの資金はもちろん、われわれの要求であるなら項目と規模の制限なくすべてを提供するとまで提案したことがある。

 特にハンナラ党は昨年、「大統領選挙」を控えて北側に密使を派遣して、現在、自分らが現「政府」と「与党」の対北政策を攻撃しているのは執権のためだとし、李会昌が当選すれば現「政府」よりいっそう積極的に「スケールの大きい対北支援」を行うことを保証したし、これに従って「ハンナラ党の対北政策を絶対的相互主義から伸縮的相互主義に修正する過程にある」と通報したことがある。

 「ハンナラ党の密使派遣問題」は、北南間の特殊な関係を考慮に入れ、現在、その秘密を公開するのは困難である。

 ハンナラ党をはじめ南朝鮮の極右保守勢力が繰りひろげている「対北送金騒ぎ」の目的は、決して民族や「国益」のためではない。

 それは、南朝鮮の言論が非難したように、昨年末に行われた「大統領選挙」敗北の腹いせであり、「崩れている党内部の分裂を防ぎ、2004年の総選挙まで命づなをつなげようとする身もだえ」に過ぎない。

ねつ造の黒幕は米国

 第3に、米国は「対北送金事件」をねつ造した背後操縦者としての醜い犯罪を是認し、北南対決を鼓吹する行為を直ちに中止しなければならない。

 朝鮮半島における和解と平和を快く思っていない米国は、ア太委と現代が金剛山観光事業を始めていた当初からこれに陰に陽に反対した。

 金剛山観光事業に対する米国の妨害策動は、ブッシュ政権が執権した後、さらに重大な段階に至るようになった。

 米国は2000年11月、南朝鮮占領米軍司令官をはじめ現地のトップをそそのかして現代グループに「現代資金の軍事的転用を懸念する」(2001年2月2日、日本の「産経新聞」)と言いがかりをつけて金剛山観光中止を強迫する横暴まで働いた。

 1999年末までも、南朝鮮で最大財閥と認められていた現代グループが経営危機を経て今日は、グループ自体が解体して多くの系列社が金剛山観光事業から手を引かざるを得なくなったのも、ドルの金脈を掌握して金融的圧力を加えてきた米国の卑劣な陰謀策動を抜きにしては考えられない。

 最近、南朝鮮で世論の焦点となっている「対北送金事件」なるものも、米国のこうした陰謀によって始まり、膨れ上がったものである。

 南朝鮮の当局と各政党、団体、そして内外の同胞は、米帝と極右保守勢力の「対北送金騒ぎ」の本質と実状を正しく見きわめ、それに断固と対処することにより、北南関係と民間級協力を民族の意思と利益に即してさらに発展させるべきである。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2003.3.13]