国家予算を総括、討議−最高人民会議第10期第6回会議 |
3月26日に行われた朝鮮最高人民会議第10期第6回会議では、昨年(2002年)の国家予算執行の決算、今年(2003年)の国家予算について主に討議した。文一峰代議員(財政相)の報告にもとづき、昨年と今年の予算について分析した。 歳入13.6%増に 昨年の国家予算遂行状況は、歳入計画が100.5%、歳出計画が99.8%。人民経済各部門に歳出総額の22.7%が回された。一昨年(01年)の42.3%に比べると20%近く落ちた。これらの資金は電力、石炭、金属、鉄道輸送など「経済建設の主攻(撃)戦線」に優先的に投資。これによって、「経済建設で要となる重要工業部門の土台が拡大強化された」(文財政相)。 核問題をめぐって朝米間で緊張が高まる中、歳出総額の14.9%が国防費にあてられた。昨年の14.4%に比べて0.5%増加している。 今年は国家予算歳入規模を昨年より13.6%増やす予定だ。国家企業利得金歳入は前年比5%増を予想しており、協同団体利得金は103.3%、社会保険料歳入は106.7%、土地使用料歳入は103.7%。 今会議では、人民生活公債の発行を決めたことが注目される。経済建設に必要な資金需要を円滑に保障するため、余剰貨幣資金を集めようというところに目的があるという。 文財政相によると、人民生活公債は国家が責任を持って償還(返済)を保証する国家信用の一形態となり、人々の福利増進に貢献するという。 継続し経済改善 今年の国家予算歳出総額は昨年比14.4%増。核問題による緊張が続いているのにともない、国防工業を優先的に発展させながら軽工業と農業を同時に発展させる原則が反映された。とはいえ、新年共同社説でも同様の指摘がなされており、既定の路線といえる。 国防費の比率は歳出総額の15.4%。昨年に比べ0.5%増えた。 米国が重油提供を中断していることでネックとなっているエネルギー問題においては、電力工業部門は112.8%に、石炭工業部門は1.3倍以上に投資を増やす。 昨年7月1日から朝鮮で実施されている経済管理改善措置。各代議員の討論でもそれに関する指摘が必ず盛り込まれている。 文財政相も、「すべての部門、すべての単位で社会主義分配原則を具現し、平均主義をなくし、働いただけ、儲けただけ報酬を受け取れるようにし、労働者の生産意欲を高めるべきだ」と述べている。 今後も引き続きこの改善措置を推し進めていく意思は明白だ。 一方、文財政相の報告では貨幣流通と物価の安定保障が強調されており、改善措置によってもたらされるであろうすべての措置に対応していく意図がうかがえる。(文聖姫記者) [朝鮮新報 2003.4.10] |