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経済管理改善の成果(上)−国家計画委員会チェホンギュ局長に聞く

 朝鮮では昨年来、経済管理改善のための一連の措置が取られ、経済復興戦略は徐々にではあるが実を結びつつある。チェ・ホンギュ国家計画委員会局長に、国内経済の現況と展望について聞いた。(金志永記者)

工業生産112%増

 チェ局長は昨年の経済事業を振り返りながら、「強盛大国建設の進撃路を切り開いた」と自負する。

 「実例としてあげられるのは、現代産業の心臓であり基礎とも言えるエネルギー工業が成長したことだ。もちろん、まだ十分な水準とは言えないが、火力発電所の設備を現代的なものに代えるための運動を展開し、電力生産を昨年比で129%に押し上げた」

 朝鮮での電力生産は、水力と共に石炭による火力が基本となっている。電力増産は石炭生産の増大を意味する。

 「国家的な関心の中、経済の全部門で炭鉱支援活動が行われた。電力増産によって経済全般が活気を帯びてきた。昨年、全国的に2907の工場、企業所が経済計画を達成した。工業総生産額は、2001年に比べ112%伸びた」

 チェ局長は、工業だけでなく穀物をはじめとする農業生産でも進展があったと話す。昨年は国家の立てた目標水準には至らなかったものの、「今後は、人民がご飯を食べられなかったり飢えるようなことはない」。

 90年代の経済試練の時期、「代用食品」という単語がよく口にされた。不足するコメやトウモロコシに代えて、草の根などを加工して作った食品を指す言葉だ。現在ではこの言葉は完全になくなった。チェ局長は、「一部の地方では食糧供給網が正常に機能していない所も残っているかもしれないが、そうした地方の人々も市場でコメを買い、生活している」と指摘した。

 穀物生産高が伸びていることを示唆している。

支配人が収支率先

 経済管理改善のための措置がとられた昨年7月、同時に労働者たちの賃金引き上げ、全般的な価格調整が行われた。工業の活性化など一連の成果を経済管理改善の結果と見るのかとの質問にチェ局長は、「どの程度作用したか具体的には言えないが、とにかくかなり作用したことは事実」と答えた。

 「工場や企業所では、責任的な立場にいる人たちが真っ先に収支計算に取り組んでいる。どこに行っても創意工夫を発揮して仕事を探そうという雰囲気に満ち溢れている」

 工場、企業所は収入で評価され、労働者は働いた分だけ分配を受けるようになった。従来は、生産計画を達成できなくても国家が従業員の賃金の80%を保障したが、現在は工場、企業所の収入だけで従業員の賃金を賄わなければならない。

 経済活動における平均主義を撤廃した今回の措置が、生産意欲を高めたことは十分に理解できる。しかし現在の困難な経済状況では、国家が生産に必要な燃料や資材を十分に分配できないこともある。燃料、資材がなければ工場や企業所は実績をあげることはできず、そうなれば従業員も賃金をもらえない。こうした疑問にチェ局長はこう答えた。

 「資材がまったくないため生産を正常化できない企業所では、残った労働力をよそに回すことができる。例えば、山に入って丸太を切ってくるという具合に。われわれは人民経済計画法を改善し、こうした創意工夫を容認するようにした。これまでは国家計画にない指標の生産はできないということになっていたが、今は企業所が自ら仕事を探し販売がうまくいけばそれを実質的に認めるようにしている」

 チェ局長は、昔は中央行政機関にいる何人かの幹部が国の経済活性化のために頭を使っていたが、現在はすべての生産現場で、担当者自身がどのように労働力を効率的に利用し実利を得ようかと頭を使うようになったと話す。生活費と価格を調整し社会主義分配原則を貫くことで、「すべての人民を、国を担う働き手に育てることに成功した」。

[朝鮮新報 2003.4.21]