top_rogo.gif (16396 bytes)

「拉致」問題これ以上解決するものない−朝鮮中央通信が論評

 報道によると、日本は2003年度「外交青書」で日本人「拉致」問題を取り上げて「日本人拉致被害者の死亡」に対する「反発」論を持ち出す一方、官房長官の福田は9日の記者会見で、「北朝鮮による日本人拉致はテロ」だとし、外相の川口も同日、「拉致はテロだ」と同じことを繰り返した。

 日本側のこうした態度は、われわれを「テロ国家」に仕立て上げる上司の米国の機嫌をとりながら、われわれの平和愛好的イメージを損ね、孤立、圧殺するための反共和国敵視世論を拡大させようとする卑劣な術策の発露である。

 これは、朝・日間の忌わしい過去を清算して関係を改善するとの朝・日平壌宣言の基本精神に従い、日本との遺物を払拭する勇断をもって、個別の人々によって偶発的に生じた日本人「拉致」問題の真相をすべて調査したわが方の誠意に対する許しがたい挑戦的行為となる。

 われわれが、日本人「拉致」問題において解決すべきことはすべて解決してやったし、なすべきことを果たしたにもかかわらず、日本側はいまだに「日本人拉致被害者の死亡」に対する「反発」論を引き続き持ち出しているのだから、善に悪を持って接する日本の道徳的低劣さに憤激を禁じえない。

 「日本人拉致被害者の死亡」について再度明白にするなら、われわれは徹底的な調査と確認を通じて長い年月が経つ過程で、色々な理由によって死亡した彼らの具体的な資料を日本側に通知したし、これに対してはいかなる意見もありえない。

 5人の生存者問題を見ても、われわれは彼らを一時帰国させてほしいという日本側の要請をすべて聞き入れた。

 これに問題があるとすれば、生存者たちが10余日間の日本滞在を終え、再び戻ってきて家族と会い、将来の問題を決心できる環境を与えるとの約束を日本当局が破った事実である。

 5人の生存者がいったんわが国に戻って家族と相談し、みなが日本へ行こうというなら、彼らの要求どおり速やかに送ろうというのがわれわれの立場である。

 ところが、日本当局の背信的かつ一方的な永住帰国の決定により、彼らがいまだわが国に来て肉親と会えずにいるのだから、これこそもう一つの国際的悲劇だといわざるを得ない。

 現在、ここで正常な生活をしている曽我さんの夫であるジェンキンス氏と2人の娘である美花さんとブリンダさんをはじめ、彼らの家族が日本に行った妻や父母とわが国で一日も早く会うことを待ちわびている事実に背を向け、彼らの再会の道を必死になって遮っている日本当局の行為こそ、世論の反発、非難の対象とならざるを得ない。

 国際的に公認された国家間の合意と信義まですべて破棄した日本が、「拉致」問題をさらに増幅させているのは、自分らの利害関係に従って、副次的で非本質的な側面に執拗に食い下がることで、より重大で本質的な腹黒い正体を覆い隠そうとする稚拙な日本式外交の典型的な発現である。

 周知のように、事実上拉致問題を論ずる時、日本こそ国際社会の審判台に提訴されるべきである。

 最近の報道によると、日本の非政府組織(NGO)である「北朝鮮難民救援基金」のメンバーが朝中国境地域に潜入してわが国で住んでいた日本人妻と20余人の朝鮮人帰国者を秘密裏に日本へ誘拐した事件があらわになった。

 これは、誘拐、拉致の禁止に関する国際法に違反した犯罪になるばかりか、わが国の憲法と国際法などによって保証される共和国の法律制度を無視する行為となり、したがってこれに関与した者に必ず法的責任を追及すべきであり、事件の真相を公開すべきである。

 日本がこれまで朝鮮を侵略し、敵視し続けてきたし、とくに植民地軍事統治期間に840万余人の朝鮮人青壮年を強制連行して侵略戦争と死の苦役場に駆り出し、20余万人の朝鮮女性を日本軍性奴隷として誘拐、拉致した犯罪的事実は、古今東西その類例のない世界最大の反人倫的犯罪行為であり、当然計算されなければならない。

 過去も清算せず、すでに解決済みの日本人「拉致」問題を不純な政治目的に悪用しながら、朝・日平壌宣言の基本精神を蹂躙している日本当局の背信的な行為が続くなら、いつかは必ずその代価を百倍、千倍にして支払うことになるであろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2003.4.21]