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経済管理改善の成果(下)−国家計画委員会チェホンギュ局長に聞く

「市場」に対する発想転換

 「企業所の収入がない場合、銀行で貸付を受けるようにする。しかしわれわれが調節しなければと思っている点は、国家が定めた賃金より何倍もの額を労働者に支払うところが多いということだ」

 昨年7月、炭鉱夫は内閣の相よりも多い6000ウォンの賃金が設定されたが、実際には石炭の増産により数万ウォンをもらっている所がある。こうした生産実績がエネルギー工業の活性化につながっている。

 西欧メディアは朝鮮での価格調整措置がインフレを招いていると分析している。これに対しチェ局長は、「朝鮮では銀行機関が分期ごとに内閣の批准を受け、現金流通および貸付計画というものを立てる。つまり、国家が月々現金の流通を調節する。現金が多く出回れば、その分を回収するための対策を立てなければならない。

 昨年7月以降、収入と支出の差がないわけではなかったが、差額は相当縮まっている。たとえば、それまでの差額が2倍だったとしたら、昨年7月以後は1.2〜1.3倍。それ以上にはあがらない」

 支払能力のある需要を満たさなければ価格は上がる。市民が靴を求めても、計画通りに生産できなければ市場での価格が上がる。しかしこれからは、国家が全般価格を能動的に調節することになっている。

 チェ局長によると、内閣では毎日のように市民の反響や市場での商品価格などを総合的に判断し、対策を立てているという。

 ついでに言うなら、国家は市場を統制の対象としてではなく、社会主義商品流通の一環として認めている。3月末からは、平壌でも各区域にある「農民市場」を「市場」と呼ぶようになった。農産物だけでなく各種工業製品も売られていることから名前を変えたわけだが、注目すべきは「市場」の機能に対する観点を転換させたということだ。名称の変更は、市場が社会的需要を充足させる空間として機能するよう、国家がより積極的な管理政策を実施していくとの意志表現と見られる。

燃料、動力3カ年計画

 「昨年われわれが措置を取るとき、国家的な財政バランスを突き詰めなかったわけではない。財政状態を踏まえて判断した。われわれは外国から入ってくる現金や物資を前提にして財政バランスを計算しているわけではない。昨年、日本の総理が平壌を訪問したが、日本からの現金を当てにして経済計画を立てるというのは話にもならない」

 つまり、他国の動向に左右されない「ウリ(われわれ)式の経済計画」を追求しているということだ。しかし昨年10月以後、核問題による朝鮮半島での緊張状態が経済に否定的な影響を与えていることだけは事実だ。

 「米国と対抗する過程で、経済分野での困難がないわけではないが有利な条件もある。米国が重油を提供しないので、北朝鮮は電力不足でより大きな困難にぶつかっているのではと考えられがちだが、電力部門では今年1、2月の計画を達成した。平壌火力発電連合企業所も、年初は10万キロワットがやっとだったが、その後20万キロワットほどの電力を生産するなど、近年まれに見るいい傾向だ。すべて石炭生産が伸びたおかげ。電力部門が活性化すれば、他の部門もいずれ活性化するだろう」

 チェ局長は最後に、経済建設における展望と目標についてこう述べた。

 「われわれは、人民経済の技術改革のための展望計画を立てている。当面は今年から燃料、動力問題を解決するための3カ年計画を進めようと思っている。

 燃料、動力問題を3年でどのように解決するのか、そのための対策を細部にわたって立てる。そして金属や化学肥料など各部門別の指標を与える。

 こうした1段階事業が成功裏に終われば、次は最先端技術を受け入れる全面的な技術改革に着手する。膨大な事業ではあるが、決して虚無的になりはしない。すべての人民が国の働き手としての自覚を持って立ち上がれば、必ずやりぬくことができるだろう」

[朝鮮新報 2003.4.24]