平壌郊外の「総連愛国林」に長野、大阪の同胞が植樹 |
【平壌発=文聖姫、文光善記者】平壌市中和郡馬場里の100町歩の山が、「総連愛国林」になる。東明王陵、海外同胞墓地を一望できる景色のいいところだ。朝鮮の専門家の意見を参考に、この地を愛国林に設定し5年の計画で林を造成する。現在の計画ではアカシア、五葉松、ポプラなど7つの区域に分けられ、そのほかにもりんご、桃などの果樹園地域や2町歩の養苗場も作られる。18日には現地で、長野県愛国林支援代表団のメンバー7人が記念植樹を行った。 美味しいりんごを
「富士」(りんご)の苗木500本と桃の苗木30本を持って訪朝した、長野中信地域商工会の金清志副会長をはじめとする長野愛国林支援代表団の一行は、苗木が植えられている場所を確認し、記念植樹式にも参加した。 現在、この一帯には長野だけでなく大阪、愛知、京都、福岡などの同胞たちが送った苗木も植えられている。 衛生業を営む金清志副会長は約4年前、西東京の同胞から江原道にある愛国果樹園で使うバキュームカーの購入を依頼された。その時に西東京の同胞たちと一緒に祖国を訪れたことが、今回苗木を持っていくきっかけとなった。 果樹がもっと必要だと思った金副会長は昨年、200本の「富士」の苗木とバキュームカーを提供した。「富士」は日本でも美味しいことで有名な品種。朝鮮の人々にももっと美味しいりんごを食べてもらおうと、この品種を選んだ。この時に愛国林のうち30万坪を提供してもらい今回、「富士」の苗木500本と桃の苗木30本を準備した。 金副会長は今後、この事業が個人的としてだけではなく、地域的なものとして広がっていくことを期待している。 地域的な事業に 代表団の中には、「富士」を栽培、販売している日本人技術者4人も含まれていた。 15年の栽培キャリアを持つ長崎良夫さんは、「100%りんごに合った土地とは言い難いが、収穫はできるだろう。こんなに美味しいりんごがあるということを知ってくれればうれしい。とにかく2年くらいは我慢して、親木になった後に収穫するほうがいいだろう」と語った。 彼らは朝鮮の国土環境保護省の職員らに、「富士」の栽培法を具体的に説明していた。 国土環境保護省のチャン・チュンガプ副局長は、「情勢が困難な時に、長野県からわざわざ訪ねてくれたうえ、誠心誠意で手伝ってくれたことに謝意を表したい。これから一生懸命育ててみなさんの期待に応えたい」と話した。 「木のように育つ夢」 大阪在住の実業家・愼海晟さんは公孫樹、なつめ、あんず、りんご、梅など11万本を提供した。 4年前、平安南道徳川郡で暮らす叔母に会うため訪問。その後3回の訪問を通じて木の少なさを痛感した愼さんは、2年前に木を提供することを決めた。 「私一人ができることは限られている。しかし、私がこうすることでより多くの人が関心を持ってくれれば。一人が10本だけ持ってきても、1000人なら1万本になる」 今回の訪問には子どもたち(息子と娘)も同行した。 「自分の代で終わるのではなく、子どもや孫の代まで受け継がれればいい。花が咲いて実を結ぶように、自分の夢が育っていくようだ。こんな幸せな夢を与えてくれたので、かえって感謝したい」と愼さんは語った。 [朝鮮新報 2003.4.26] |