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そこが知りたいQ&A−北南閣僚級会談で何が話し合われた?

 Q 第10回北南閣僚級会談が、4月27〜29日まで平壌で行われたが。

 A 今回の会談は、盧武鉉政権発足後初めての北南当局間の会談であると同時に、1月末の9回会談後、延期されてきただけにどのような話し合いが行われるかが注目された。

 また、これに先立つ4月23〜25日には中国の司会の下、北京で朝米が核問題と関連する会談も行ったこともあり、朝鮮半島問題を含む北東アジア地域の平和、安定問題の解決という意味からも注目を集めた。

 会談で北側は、昨今の緊迫した朝鮮半島情勢について触れながら、6.15共同宣言の履行意志を再確約した上で、@民間級で合意、推進されている今年の6.15民族統一大祝祭を両当局が積極的に後押しし、祝祭の参加の幅を広げ民間と共に当局も参加するイベントとして定例化する、A6.15共同宣言発表3周年の前に東西海線鉄道、道路連結着工式と開城工業地区建設着工式を行う、B金剛山での離散家族、親戚面会所建設着工式を迅速に行う、ことなどを提案した。

 また、経済協力事業について積極的に後押しするため、南側が責任ある措置を取ることなどを求めた。

 Q 南側の対応はどうだったのか。

 A 南側は核問題に重点を置きながら、「核問題が共同報道文に『満足できる』水準で含まれない場合、その他の分野の協議は不可能」(聯合ニュース4月28日付)との姿勢で臨んだ。しかし、6.15共同宣言の基本精神の再確認に関しては、「政府もすでにこれを継承、発展させるとの立場を表明しており、大統領も就任辞で南北の和解協力政策を支持することを明らかにしたので、(北側とも)意見相違もなく順調に合意できた」と明らかにした(申彦詳・南側スポークスマン)。

 Q 北南のマスコミは、今会談をどのように受け止めているのか。

 A 朝鮮中央通信は4月30日、閣僚級会談が成功裏に終わったと報道しながら、「第10回北南閣僚級会談で双方の共通した立場が反映された共同報道文が採択、発表されたことにより、北と南は情勢や内外の環境、条件の変化に関わりなく、6.15共同宣言の根本精神に従って北南関係をさらに発展させ、和解と団結、統一を積極的に実現しようとする民族の志向と意志を内外に誇示した」と評価した。

 一方、南のマスコミは3大保守マスコミ(東亜、朝鮮、中央)が否定的な捉え方をしているものの、「北の核問題を取り巻く韓半島の緊張と葛藤が高まれば高まるほど南北対話の重要性も高まる。…一喜一憂せずにじっくりと信頼を培っていく姿勢が必要だ」(ハンギョレ新聞インターネット版、4月30日付)、「核問題での進展はそれほどなかったものの、離散家族、親せきの再会やユニバーシアード参加などで進展があったことは評価できる」(文化日報インターネット版、4月30日付)などと指摘している。

 とくに、インターネット新聞の「オーマイニュース」(4月30日付)は、「米国による対北攻撃説が言われている中、戦争当事者にならざるを得ない南北が対話を通じた解決に合意しただけでも(米国に対する)大きな抑止力になる」と成果を強調した。

 Q 結論的に今会談の意義はどういう点にあったのか。

 A 発表された合意文では6.15民族統一大祝祭の定例化や東西海線鉄道、道路連結事業、それに伴う開城工業地区建設問題や金剛山観光など一連の北南交流、協力事業を推進することが謳われた。とくに、北南和解、協力の原動力である6.15共同宣言の基本精神を双方が再確認し、基本精神の履行のため引き続き努力していくことに合意、共同報道文の第1項に盛り込んだことで、韓米合同軍事演習や対北送金特別検察法の国会通過などにより一時停滞していた北南関係に明るい展望をもたらしたといえる。

 一方、共同報道文とは別に2010年冬季五輪を北南双方で共同誘致するため積極的に協力していくことでも合意した。

 今会談の合意に沿って北南間交流が予定通りに進めば、5月には経済協力推進委員会第5回会議が平壌で行われるのを皮切りに、民族統一大祝祭と第7回離散家族、親せきの再会(6月)、第11回閣僚級会談(7月、ソウル)、大邱ユニバーシアード(8月)など大きな行事が連続で行われる。また、7月に済州道で行われる平和統一スポーツ祭典には北から1000人規模の選手団と応援団が参加するとの話もあり、全般的な関係の発展に大きく寄与するものと思われる。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2003.5.8]