5月1日からの人民生活公債発行−チョン・ヨンチュン財政省局長に聞く |
【平壌発=文聖姫、文光善記者】3月26日に行われた朝鮮最高人民会議第10期第6回会議では、人民生活公債を発行する法令が採択された。公債は今月1日から発行された。発行前日の4月30日、財政省のチョン・ヨンチュン局長に公債発行の目的、購入、償還方法などについて聞いた。 4月末まで予備期間 ―公債発行の目的は 公債の発行は、国の富強発展と人民の福利増進に役立てようとするものだ。米国による対朝鮮孤立策動が日増しに露骨になっており、また繰り返される自然災害の影響で、経済建設には一連の難関がかもし出されている。 そうした難関を克服し、自力更生の原則で、われわれの力で強盛大国を建設するためには、国にあるすべての貨幣資源を動員する必要がある。今回、公債を発行するのも、経済発展と人民生活向上のために住民の余裕貨幣資金を動員するためだ。 償還については国家が全的に責任を持つ、国家信用の形態をとる。 ―販売方法は 2003年5月1日から発行を開始し、2013年4月30日まで10年間が償還有効期間。500ウォン(100ウォン=約87円)券、1000ウォン券、5000ウォン券の3種類があり、販売期間は5〜7月の3カ月間だ。 公債販売事業を順調に進めるため、中央、道、市、郡に非常設人民生活公債委員会を、その下に人民生活公債協調常務を組織した。委員会が休会中は、常務がこの事業を担当する。この常務が銀行代理業務を引き受け、住民に公債を渡し、代金を銀行に届ける仕組みだ。もちろん、自ら銀行に行って直接購入したい場合はそれも可能だ。代金も一括ではなく、3カ月の分割も可能だ。 関係機関では、公債を発行することに関する内閣公報が出た直後から4月末まで予約を受け付けた。3種類の券のうちどれが最も需要が多く、またどれくらいの規模で公債を発行するべきかを見積もる必要があったからだ。 もちろん、予約をせずとも購入は可能だ。 当選償還金の方法で ―償還方法は 人民生活公債は利子をつけず、抽選による当選金と元金を返還する方法で償還する。抽選は公開、客観の原則に基づき今年から実施する。 最初の2年間は6カ月に1回、3年目からは年に1回ずつ実施する。したがって今年は1回、来年は2回、その次の年からは1回ずつ抽選することになる。最初の抽選は今年12月に行う予定だ。 抽選に当たった公債に関しては当選償還金を払う。当選金ではなく当選償還金というのは、元金も含まれるからだ。 当選償還金は7等まで。1000ウォン券の場合、1等は5万ウォン、2等は2万5000ウォン、3等は1万ウォン、4等は5000ウォン、5等は4000ウォン、6等は3000ウォン、7等は2000ウォンだ。 500ウォン券の場合は1000ウォン券の半額、5000ウォン券は5倍で計算する。 抽選に当たらなかった公債に関しては、2008年12月1日から毎年、一定の金額を国家予算に計上し、公債の償還有効期限である2013年4月末まですべて償還する。元金を返還しながらも抽選は引き続き行う。 海外同胞も購入可能 ―海外同胞も購入可能か 可能だ。海外同胞が購入する場合は外貨でもよい。その場合、国家の公式レートに沿って計算する。例えば、1ユーロが155ウォンなので、100ユーロだと5000ウォン券を3枚、500ウォン券を1枚購入できる。在日同胞の場合は、もちろん円で購入できる。外貨で購入した場合は償還も外貨で行う。 海外同胞の場合、朝鮮に住む家族、親せきを通じてか、海外同胞迎接局を通じて購入することになる。 ―市民の反応は 良好だ。強盛大国建設に自分も一役買うという愛国心を信じている。といっても、あくまで自主的なもので、決して強要はしない。購入枚数も能力に応じて自分が決める。 [朝鮮新報 2003.5.10] |