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〈6.15共同宣言を振り返る-1-〉 (前文と第1項目)民族自主統一を明確に

 統一実現への里程標、6.15共同宣言(2000年)の発表から3年。この間、北南間では共同宣言の基本精神に沿って、さまざまな分野で和解、協力、交流事業が具体化されてきた。対決から共存、統一へ、北南間の大きな流れを作り出した6.15共同宣言の内容を項目ごとに振り返ってみた。

 「北南首脳は、分断史上初めて開かれた今回の出会いと会談が、互いの理解を増進させ、北南関係を発展させて平和統一を実現するうえで、事変的な意義を持つと評価し、次のように宣言する」

 6.15共同宣言は、まず前文で宣言の性格、意義についてこのように述べ、そして統一の原則など5項目を明記した。

 つまり、6.15共同宣言は分断後初となる北南両首脳の出会いと会談によって生まれたものであり、互いの理解を増進させることで、分断により生じた不信と対決意識を解消するという性格を持っている。また、それを土台に北南関係を発展させ統一を必ず実現するという朝鮮人民の意志を明らかにした。

 こうしたことから、両首脳の出会いと会談、その結果としての6.15共同宣言の発表が、人智を超えた「事変的な意義」を持つと表現しているのである。

 統一を志向するうえで、もっとも重要なことは原則だ。第1項は、統一の原則について次のように指摘した。

 「1.北と南は、国の統一問題を、その主人であるわが民族同士が、互いに力を合わせて自主的に解決することにした」

 自主とは何か。利害関係を有する周辺国、つまり米、日など外部勢力の影響をいっさい受けることなく、朝鮮民族だけで手を取り合い「わが民族同士」で統一を成し遂げようということだ。

 7.4共同声明(72年)や北南間の和解と不可侵および協力、交流に関する合意書(91年)と違い、6.15共同宣言は北南両首脳が署名した。これは、統一を自らの力で成し遂げるという全朝鮮人民の意志を表している。

 北と南は共同宣言発表後、同年7月29〜31日に行われた第1回会談を皮切りに、現在まで10回の閣僚級会談を行い、具体化に取り組んできた。

 北は2001年1月22日、政府、政党、団体合同会議を開き、宣言の徹底的な履行、祖国統一運動の活性化などを訴える3大アピールと、5〜8月を民族同士で力を合わせていく運動期間に定めることなどを盛り込んだ3大提案を提示した。

 また、北と南は6.15に際して毎年、統一行事を行ってきた。2001年6月15日には金剛山で民族統一大討論会、昨年も6月13〜15日に民族統一大祝典が金剛山で行われた。また、8.15民族統一大祝祭も平壌(2001年8月15〜21日)とソウル(2002年8月14〜17日)でそれぞれ開催した。これらの統一行事で発表された共同報道文やアピール文は、6.15共同宣言が自主、平和統一、民族大団結の宣言であり、朝鮮民族が堅持すべき統一の里程標であると強調するとともに、力を合わせて統一していくことを確認している。

 一方、4月27〜29日に行われた第10回閣僚級会談で双方は、これまで民間主導で行われてきた6.15民族統一大祝祭が今後もスムーズに、かつ定例化されるよう積極的に支援していくことで合意した。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2003.5.31]