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〈6.15共同宣言を振り返る-3-〉 (第3項)不信を解消、絆を取り戻す

 「3.北と南は、今年8.15に際して、離ればなれになった家族、親せき訪問団を交換し、非転向長期囚問題を解決するなど、人道的問題を早急に解決することにした」

 離散家族、親せきの再会は、6.15共同宣言発表の前にも1度だけ行われた。85年9月、平壌とソウルで離ればなれになった家族、親せきが分断以来、40年ぶりに再会し、感動的な場面が繰り広げられた。しかし、それも束の間、相手側の体制に対する中傷が始まった。

 当時、南当局はすべての離散家族を「北の社会主義制度に反対して南に逃げてきた」勢力と位置付け、離散家族の再会問題を、「北の体制を揺さぶる」手段の1つとして利用しようとした。

 40年ぶりの再会にもかかわらず、体制中傷シーンが繰り広げられたのには、こうした背景があったのだ。

 しかし、共同宣言発表直後の8月15〜18日に平壌とソウルで行われた家族、親せきの再会は、85年のそれとは本質的に異なっていた。というのも、北と南はこの問題を統一を前提とした人道的問題として、和解の象徴として捉えていたからだ。

 それは、当時の映像を見れば一目瞭然だが、過去半世紀を通じて双方の間に生じた不信を解消し、体制の違いを認め融合する場であり、失われた時と絆を取り戻す場でもあった。

 離散家族、親せきの再会はこれまで、平壌、ソウル、金剛山で6回行われており、今年も6.15発表3周年に際して予定されている。

 共同宣言の発表を受けて、6月27日から金剛山で行われた赤十字会談で双方は、離散家族の再会と共に面会所の設置問題などで合意。また、帰郷を希望する非転向長期囚を9月初めに送還することでも合意した。

 この合意は、共同宣言がこれまでの声明や合意書と違い、実践段階へと突入したことを意味した。

 当時、南には102人の非転向長期囚がおり、そのうち60人以上が北へ帰ることを希望した。

 9月2日、63人の非転向長期囚は板門店を通じて北に帰還。肉親はもちろん、党幹部や市民から熱烈な歓迎を受けた。

 元人民軍従軍記者の李仁模氏もそうだが、北にとって非転向長期囚は、戦士、英雄であり、南に「逃亡した」離散家族とは当然処遇が違うのだが、今回の赤十字会談で、あえてそれに執着しなかったところに、共同宣言履行の並々ならぬ決意が読みとれる。

 人道的問題については、総聯同胞の故郷訪問も忘れてはならない。これまで、総聯の活動に従事しているという「理由」で、故郷の地を踏むことができなかった多くの1世たちが堂々と訪れ親の墓参りをする姿は、6.15共同宣言が北と南に限らず海外の同胞にも希望を与えるものだということを物語っている。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2003.6.9]