top_rogo.gif (16396 bytes)

「万景峰92」号問題に関する朝鮮赤十字会声明

 日本当局は最近、米国の対朝鮮圧殺戦略に従って朝鮮に対する敵視政策を執拗に強行したあげく、人道的使命を帯びている朝鮮の貨客船「万景峰92」号の運航を困難にする重大な事態を生じさせた。

 周知のように、「万景峰92」号は朝・日両国赤十字団体が調印した協定によって在日同胞の帰国と祖国への自由な往来のため朝鮮と日本に行き来する人道主義の赤十字社的使命を帯びている船である。

 それゆえ、「人道主義」をあれほど大げさに標榜している日本当局は当然、「万景峰92」号の順調な日本入港を積極的に保障すべきであったが、それとは反対に「不正送金船」「スパイ工作船」だの、「核・ミサイル部品の運搬船」「拉致・麻薬疑惑船」だのという途方もない謀略、誹謗宣伝を大々的に繰り広げながら非常事態や戦争時期に見られる物々しい恐怖の雰囲気を作り出し、とうとう人道的航路を遮った。

 これは、「万景峰92」号の運航を中断させて朝鮮の対外的権威と威信を傷つけ、社会主義祖国に従っている在日本朝鮮人総聯合会の活動家と在日同胞の燃えるような愛国の信念を崩そうとする、耐えがたい政治的謀略策動であり、在日同胞の人道的な祖国往来の権利を乱暴に踏みにじる、許しがたい反人倫的行為である。

 とくにわれわれは、「万景峰92」号の日本入港を何としても遮るため法文化しようとしたが、内外の世論にぶつかって実現できなかった日本政府が、米、日、南朝鮮間の「首脳会談」で「核問題」に関連して朝鮮に対する「追加的措置」と「強硬措置」をうんぬんした時に、新潟で非常事態のような殺伐とした雰囲気を作り出す強硬措置で人道的航路を阻んだことを問題視せざるを得ない。

 これが、人道主義問題に関連して朝鮮に対して日本が講じる一種の「制裁」措置であるなら、問題は変わってくる。朝鮮赤十字会中央委員会は、突然、人為的で意図的な障害を作り出して「万景峰92」号の日本入港を困難にした日本当局の不当な行為を朝鮮の尊厳を害し、人道主義の精神に反する極めて挑発的で低劣な敵対行為、朝・日平壌宣言に従って朝・日関係の改善を望む両国人民の志向に無残に逆らった時代錯誤の妄動として烙印を押し、これを厳しく断罪、糾弾する。

 「万景峰92」号について言うなら、運航を始めた時からこんにちまでの10余年間、在日同胞の帰国と往来のような人道的任務をスムーズに遂行してきたし、国際法と日本法に差し障るいかなる違法行為を犯したことは一回もない。

 にもかかわらず日本当局が、人道主義についてあれほどけん伝しながら人道的船舶が新潟港に出入りできないよう危険極まりない非常事態的な強権措置で遮断棒を下そうとするのは、世人をとうてい納得させることのできない不当千万な反人道的行為である。

 人道主義と非常事態は両立しない。現在、朝鮮人民は「万景峰92」号に対する日本当局の不当な強権行為に民族的怒りを禁じ得ず、罪深い過去を清算する代わりに、日増しに反朝鮮騒動を激化させてきたあげく、こんにちに至っては両国間に唯一残っている人道的活動まで踏みにじっている日本当局の犯罪行為に対し当然の計算をせざるを得ないであろう。

 人道主義は、いかなる場合も弾圧や制裁の対象にならず、政治的玩弄物になるわけにはいかない。

 誰も全世界が見守っている在日同胞の自由な祖国訪問への道、人道主義の航路を阻むことはできない。

 人道主義を踏みにじる者は、人類の良心と正義の前で無事ではいられないものである。日本当局は、朝・日平壌宣言と朝・日両国赤十字団体の協定精神に従って米国の対朝鮮圧殺政策に追従する不法、非道な政策を是正すべきであり、「万景峰92」号の日本入港に難関を作り出すあらゆる謀略、挑発策動を直ちに中止し、今、祖国訪問の準備を整えて船の入港を待ちわびている在日同胞と在日朝鮮人学生の人道的な往来の道を早急に開くべきであろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2003.6.12]