〈6.15共同宣言を振り返る-4-〉 (第4項)交流通じ相互理解深める |
「4.北と南は、経済協力を通じて、民族経済を均衡的に発展させ、社会、文化、スポーツ、保健、環境など諸般の分野の協力と交流を活性化し、互いの信頼を築いていくことにした」 北南間の経済をはじめとするさまざまな分野での協力、交流は、相互理解を深めるうえで大きな寄与をしている。 北南間の経済協力は、「民族経済を均衡的に発展させ」ることに主眼が置かれている。 しかしこれまで、南の保守勢力は「北への一方的な支援」「北に引きずられている」などと批判してきた。こうした主張は冷戦時代の対決思想に捉われたものでしかなく、6.15共同宣言の持つ意義をないがしろにしようというものでしかない。 2000年6月16日付のハンギョレ新聞が「南の技術および資本と北の廉価で有能な人力が合わされば、わが民族は世界最高のソフトウェア強者として浮上することができる」と指摘したように、一方が得をし、一方が損をするというものではなく、北と南の双方が得をする「ウィンウィンゲーム」が始まることを6.15共同宣言は明らかにした。 5月19〜23日にかけて平壌で行われた経済協力推進委員会第5回会議では、北南の鉄道連結のための行事を6月10日頃に催すことで合意(その後、14日の開催で合意)。ユーラシアとヨーロッパをつなぐアイアンロードの実現は、北南双方に相当な利益をもたらすと期待されている。また、連結した鉄道に隣接する開城工業地区の着工式も6月下旬に予定されており、6.15共同宣言は着実に履行されつつある。 一方、北南双方の多分野にわたる協力と交流は「互いの信頼を築いていくこと」に目的がある。 6.15共同宣言発表後、さまざまな分野で交流、協力が行われてきたが、特徴的なのは北の人々が南へ行くことが増えたことだ。 昨年9月に行われた釜山アジア競技大会には北の選手団と応援団約400人が南へ赴き、南のメディアで連日のように取り上げられた。選手たちの活躍はもちろん、応援団の芸術公演も南の市民たちに大きな感銘を与え、北と南は一つの同じ民族であることを内外にアピールした。 SARS(新型肺炎)の影響で開催が延期されたものの、済州道で予定されている平和スポーツ祭典には北から1000人規模の参加が見込まれており、相互理解に大きな役割を果たすだろう。 朝鮮半島全体の植物分布図鑑の製作や国号の英語表記問題など、北南間の広い範囲で「違い」よりも「共通点」に重きを置いた学術研究といった地道な交流も進んでいる。 交流を絶ち、「脅威」だけを煽る日本ではあまり伝わってこないが、北南間の交流は枚挙に暇がないほど進んでいるのだ。(李松鶴記者) [朝鮮新報 2003.6.13] |