〈月間平壌レポート〉 暑さに負けぬさまざまな知恵 |
「三伏の暑さ」 夏の平壌は暑いが、日本に比べ湿気が少ない分過ごしやすい。朝鮮では夏の暑い時期を初伏、中伏、末伏の「三伏の暑さ」といって、ひと夏を無事に過ごすため工夫をしている。 「三伏の暑さ」のそもそもの由来は、「夏はとても暑いので3回は横になって何もしない日を作らなければならない」というものだそうだ。今年の初伏は7月16日、中伏は26日、末伏は8月15日。 夏の間、出勤時間を前倒しして退勤時間を早めるいわゆる「サマータイム」制を導入している職場も多く、中には午後は自由時間というところもある。大学では90分の講義時間を60分に短縮するなどして夏の暑さに「対抗」している。
夏の平壌で一番人が多いのが、蒼光園をはじめとするプール。蒼光園では設備点検と消毒などのため毎週火曜日に休園する以外は、午前7時から午後9時までフル稼働状態だ。「収容能力は800人なんですが、この時期は毎日約1000人の市民たちが訪れます。水泳クラブに所属する子どもたちの練習スペースも確保しなければならないので、時間単位で分けながら営業しています」と、職員たちは口を揃えて言う。とりわけ午後1時から3時までは、仕事を終えて「ひとっ風呂」ならぬ「ひとプール」を浴びに訪れる市民たちでごった返すそうだ。 小学校や中学校でも夏の間は週に3、4回は水泳教室を行っている。7、8月は海洋スポーツ月間ということもあり、市内のプールは子どもたちに占拠される。 「三伏の暑さ」の間は、タンコギ(犬の肉)も多くの市民たちに親しまれる。タンコギは普段から市民たちに親しまれているが、日本で言う「土用の丑の日」のウナギのようにタンコギはこの時期特に親しまれる。しかし、「タンコギを食べると太る」ということから女性は健康維持のため主に参鶏湯を食べる。 戦勝50周年 今年の7月27日は朝鮮戦争の勝利から50周年を迎える日だ。「ミサイル」「核」などことあるごとに言いがかりをつけては、朝鮮を圧殺しようとする米国に対する朝鮮の人々の怒りは頂点に達している。 プエブロ号の講師を務めるキム・ジュンロクさん(62)は、同船をだ捕したとき、直接だ捕作戦に参加していた人だ。「米国はイラク戦争で勝利したと調子に乗っているが、朝鮮と戦って初めて本当の戦争というものを味わうことになる」と豪快に笑った。 23日からは「朝鮮半島における平和保障に関する国際会議と連帯行事」が開かれた。朝鮮戦争当時から現在にいたるまで対朝鮮敵視政策に固執する米国に対する国際的非難の声が高まっていることをうかがわせた。 一方、戦勝50周年を、成果を持って迎えようと各工場、企業所では生産計画を前もって遂行するため昼夜を分かたず作業にいそしんでいる。平壌駅前通りも改装工事が盛んで、7月末には一新された通りがお目見えする予定だ。【平壌発=李松鶴記者】 [朝鮮新報 2003.7.26] |