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「朝米交渉、平等と信頼に基づくべき」−朝鮮中央通信、論評発表

 朝鮮中央通信は21日、「朝米交渉は平等と信頼に基づくべきだ」と題する論評を発表し、朝米対立の経緯に言及しながら、「米国が対朝鮮敵視政策を放棄し、不可侵を法的に確約するなら、われわれも米国の『懸念』を解消する用意がある」という朝鮮の立場を再度明かした。全文は次のとおり。

 米国の極端な対朝鮮敵視政策により現在、われわれと米国は戦争か平和という深刻な対峙状態に瀕している。

 これから、われわれと米国間に戦争がぼっ発すれば、その戦争は人類史上、類例のないもっともし烈な戦争になるであろう。

 この厳しい事態を打開するためこのほど、わが共和国政府は朝米核問題を解決し、朝鮮半島と北東アジアの強固な平和と安全を保障しようとする一念から発して、朝米間に先ず双務会談を行ってから米国が提起する多国間会談も行えるという革新的な提案を打ち出した。

 また、去る4月の北京会談では、朝米核問題を根源的に解決できる新しい寛大な提案も打ち出した。

 わが共和国政府の提案は、朝米間の核問題発生の経緯と現況、その解決方途、米国の「懸念」まで考慮に入れた現実的かつ公明正大なものである。

 朝鮮半島の核問題が米国の対朝鮮敵視政策によって生じ、ブッシュ政権の出現以降、さらに悪化してきたということは周知の事実である。

 ブッシュ政権が対朝鮮敵視政策を放棄し、わが共和国を「悪の枢軸」に、核先制攻撃の対象と規定しなかったなら、朝米核問題はこんにちのように先鋭な局面に至らなかったはずである。

 朝米核問題が極端な状況に至ったことからわれわれは、最大限の雅量をもって昨年10月25日の外務省スポークスマン談話とそれ以降の多くの機会を通じて朝米双務会談を先行し、不可侵条約を締結することを提案した。

 これについて国際世論はもとより、米国内でも1994年のジュネーブ「朝米基本合意文」が現実的な方案であったし、こんにち、われわれが打ち出している提案に対し、「伸縮性のある提案」「肯定的な提案」と評価している。

 しかし米国は、旧態依然として「先核放棄」を主張し、「国際的包囲網」を形成してわれわれを孤立させ、圧殺しようとしている。

 交戦状態にある一方が他方に対し武装を解除した後で会談に臨むというのは、無条件降伏しろというような強盗さながらの論理である。

 朝米間の核問題は、誰がやられるかというきわめて先鋭な問題である。それゆえ、この問題では一方的な譲歩と誰かの強要による妥協などあり得ない。それは、あくまでも公正さと平等、信頼の原則に基づいた交渉を通じてのみ解決できる。

 われわれが自衛的核抑止力をいっそう強化せざるを得なくなったのも、米国の強まる核脅威と戦争挑発策動に起因するので、朝米核問題は徹底的に同時行動措置によって解決されるべきである。

 米国が対朝鮮敵視政策を放棄し、不可侵を法的に確約するなら、われわれも米国の「懸念」を解消する用意がある。

 これを抜きにして武装解除を狙った「先核放棄」に固執するのは結局、朝米核問題を解決しないという立場だとしか見られない。

 米国が心から朝米核問題の平和的解決を望むなら、平等と信頼に基づいた交渉に応じるべきであろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2003.7.26]