そこが知りたいQ&A−平壌宣言から1年、朝鮮の立場は? |
Q 朝鮮外務省スポークスマンは16日、朝・日平壌宣言発表1周年に際して談話を発表したが。 A 「宣言の履行で基本中の基本は日本の過去の清算問題を解決すること」「過去の清算が朝・日国交正常化のための必須不可欠の条件」と、原則的立場を明らかにした。 そして、朝鮮は平壌宣言が採択された背景について、「日本の総理が史上初めてわが国を訪問して罪多き過去を公式に謝罪し、それを清算しようとする意志をしめしたこと」によると見ている。過去の清算が、「宣言の履行で基本中の基本」と言っているのはこのためだ。 こうした基本問題が扱われない状況下で、国交正常化交渉が中断しているのも当然と言える。 また、核問題で朝米関係が激化し、内外の情勢も複雑化しているが、朝鮮の対日政策の方向性に変化がないという点を再度強調し、日本が平壌宣言の精神に戻って過去の清算をしなければ、宣言の履行、朝・日関係のこう着状態は打開できないということを指摘している。 Q 朝鮮は、拉致問題は解決済みだと主張しているが。 A そうだ。拉致の事実を認め、国の最高責任者が謝罪し、責任者を処罰し、再発防止の約束をすることによって本質的な問題は解決した、という立場だ。昨年10月に開かれた国交正常化のための朝・日政府間協議で朝鮮側団長は、「日本が憂慮する問題に関し、協力する意思は持っている」と述べた。また、朝鮮外務省関係者も「残っている問題は実務的な問題で、後続措置と関連したものなので実務レベルでいくらでも解決できる」と話している。 Q 平壌宣言に対する朝鮮の立場は? A 朝鮮は宣言をたいへん重視している。今回の談話では、「宣言は、約半世紀にわたり極めて非正常的な状態にあった両国関係を正常化し、改善するうえで基礎をなす重要な政治的文書」と位置付け、「宣言を履行しようとするわれわれの意志には変わりがない」と宣言している。 しかし宣言発表から1年間、日本側の言動からは、「過去の植民地支配により朝鮮人民に多大な損害と苦痛を与えた歴史的事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からの謝罪の意」(平壌宣言2項)をひとつも確認することはできなかった。談話は、この1年を総括しながら「宣言発表により両国の関係は、ついに転換的な改善の局面を迎えることができたが、朝・日両国関係が逆に宣言発表時点よりも大きく後退し、極度に悪化した」との認識を示している。 日本当局がこの1年間の行動、すなわち、核問題と拉致問題を国際化し、実質的な経済制裁を講じ、総聯と在日同胞に対するテロ、暴行を黙認してきたことは、宣言の精神とはかけ離れている。 今回、日本側に対し平壌宣言履行の意志を過去の清算を通じて示すよう求めたが、日本の姿勢に変化がない限り、朝鮮の姿勢も変わることはないだろう。(姜) [朝鮮新報 2003.9.29] |