〈浮島丸事件平壌討論会〉 真相究明、謝罪、補償を求める日本政府に送る手紙 |
私たち、日本の過去の清算を求めて活動している朝鮮の北、南、海外の団体代表と研究者、被害者および遺族らは、朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌で浮島丸事件真相究明のための討論会を行い、貴政府にこの手紙を送る。 今回の討論会では、何の罪もない数千人の朝鮮人が殺害された浮島丸事件の真相が半世紀がはるかに過ぎたいまだに正しく究明されていないまま、闇に葬られていることに深刻な憂慮が表明され、これまでの調査資料に基づき、この事件の悲劇的な被害と犯行動機、犯罪の重大さとその解決策が集中的に論議された。 日本政府は、去る40余年にわたる朝鮮に対する軍事的占領期間、日帝が犯した虐殺と略奪、強制連行と強制労働、性奴隷制などすべての犯罪行為とともに浮島丸事件に対しても、わが人民は絶対に許さないことをはっきり認識すべきである。 罪多くの過去をそのまま抱えている国と国民は、絶対に平穏に過ごせないし、明るい未来を期待することができない。 日本政府は今からでも第2次世界大戦の同じ戦敗国であるドイツ政府の模範に見習って過去の清算問題にまじめに臨むべきである。 現在、世界の人々ははそれと違って、加害者として被害者に謝罪、補償することをまるで体面を傷つけるかのように見なす考え方がいかに拙劣で、幼稚なものであるのかを知らないところに、日本の悲劇があると一様に語っている。 私たちは、日本政府が朝鮮民族と国際社会界の声に耳を傾け、浮島丸事件をはじめとする過去の反人倫犯罪に対する真相究明に直ちに取り組むべきであり、その正しい解決に向けて心から努力することにより、加害者としての法律的、道義的責任を果すべきであると主張し、次のように強く求める。 1、日本政府は歴史の闇に埋められている浮島丸事件の真相を調査、究明するための措置を各面から講じ、調査資料を全面公開すること。 2、日本政府は浮島丸事件の犠牲者の身分確認活動と遺骨引き渡し問題を誠意をもって解決すること。 3、日本政府は調査、確認された資料に基づき、責任ある者を法的に厳しく処罰し、被害者と遺族に心から謝罪し、納得できる補償をすること。 4、日本政府は加害者としての罪の意識と責任感をもち、被害者である朝鮮民族を敵視するあらゆる行為を直ちに中止し、過去の清算を公約した朝・日平壌宣言の基本精神を尊重し、まじめに履行するための実践的な措置を取ること。 私たちは、以上の問題解決が日本の道徳的、国際的イメージを改善するうえで重要な意義を持つことになると認めるとともに、日本政府の今後の対応を鋭く注視するであろう。 浮島丸事件真相究明のための平壌討論会参加者一同(朝鮮通信) [朝鮮新報 2003.10.4] |