〈済州道祭典〉 準備着々と |
済州道民族統一平和スポーツ文化祭典が23日から27日まで開催される。北側から400人規模の代表団が参加する祭典では、白頭山と漢拏山で採火された聖火をひとつにする開幕式での儀式、北南の女子サッカーワールドカップ出場選手らによる競技、朝鮮相撲、ブランコ(クネ)などの民俗競技、そして芸術公演など多彩なイベントが組まれている。現在、南では祭典に向けた準備が着々と進み、道民をはじめ市民の期待も膨らんでいる。 今度は迎える番 祭典開催が決まったのは4月11日。当初、開催は難しいとの観測が多かったが、金元雄改革国民政党代表(国会議員、南側祭典共同組織委員長)が平壌を訪れた際、全今鎭朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長が「金議員の熱心かつ信頼できる姿勢に合意することにしました。必ず成功させましょう」と歩み寄り、電撃的に合意した。当初は7月開催予定だったが、SARSなどの影響で延期され、10月の開催となった。 開催地の済州道は食糧難の98年、北にみかんを送る運動を展開し、以後毎年送り続けてきた。北はこれに誠意を示して訪問団を招請。昨年5月、11月に続き今年8月にも道知事ら200人規模の訪問団が訪北した。 大挙訪北した道民らは、今回は北の代表団を迎える番になり、現在済州道では歓迎行事、祭典の準備が着々と進められている。 済州道内28の市民社会団体と政党などで構成された南北民族統一平和スポーツ文化祭典済州道民推進本部は11日、一般公募した500余人の参加のもと「アリラン統一応援団」の発足式を行い、祭典を盛大に開催しようと決議した。同応援団の募集は9月20日から始まり、13日現在1000人に達した。目標は5000人という。 道内のみならず、航空、旅行会社と提携し、交通費、宿泊費を割引、南全地域からの応援団参加を呼びかけている。さらに、各団体からの祭典歓迎プラカードの受け付けを行い、会場に設置する計画を立てている。 一方、9月16日に発足した祭典組織委員会は祭典の司会者、出演者の選定を終え、北側代表団の宿泊所も確保。祭典行事の最終チェックを行っている。また、白頭山で採火された聖火を17日に金剛山で受け取り、ソウル、大田、光州、釜山など南全域を経由させながら祭典を盛り上げる準備も行っている。ソウルに拠点を置いていた祭典組織委員会は13日、済州道に移動して本格的な準備に入った。 北南高位人士も 大規模の北側代表団が南に派遣されるのは、昨年秋の釜山アジア競技大会、今年8月の大邱ユニバーシアードに次ぎ今回が3回目。南では、今回も「統一の熱気」をと期待が高まっている。 祭典では名称どおり、女子サッカーなどのスポーツや各種文化イベントが予定されている。 祭典は民間行事ながらも、北側からは、金永大民族和解協議会会長(最高人民会議常任委員会副委員長)、全今鎭朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長など、10人あまりの高位人士が参加し、また、南からは国務総理の参加も指摘されている。 また、世界女子柔道3階級制覇を達成したケ・スンヒ選手、釜山アジア大会女子マラソン金メダリストのハム・ボンシル選手など北のスター選手や、トップクラスの芸術人も参加する予定。 祭典を1週間後に控え、南のマスメディアはその開催に大きな意義を付与しながら、準備状況などを詳細に伝え、祭典成功に向けた雰囲気は日一日と高まりを見せている。 金元雄共同組織委員長は16日、聯合ニュースのインタビューに答え、「今祭典は、南北が民族文化の共同体であることを世界に宣言することに意義がある」と強調、「今回、成功すれば祭典が定例化される可能性が高くなるだろう」と指摘した。(姜イルク記者) [朝鮮新報 2003.10.18] |