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〈改革の現場で〉 平壌−新義州化粧品品質競争

 【平壌発=金志永記者】朝鮮には、大きな化粧品工場が新義州と平壌にある。朝鮮の化粧品工場では石鹸、歯磨き粉なども生産しているが、現在これらの工場間で、生産された製品の販売、それに向けた品質向上競争が熾烈に行われている。

平壌化粧品工場の石鹸職場

 品質向上競争の大きなきっかけとなったのは、金正日総書記が8月3日、平壌化粧品工場を訪れ、新義州の質を上回る製品を造るよう指示したことだ。同工場訪問の際、総書記は、@生産の正常化A品種拡大と品質向上B自動化設備の拡充C生産面積の合理的利用D生産文化、生活文化の改善−の「5大課題」を提示しながら、新義州化粧品工場と品質を競い、人民に親しまれる工場になるよう指摘した。

 新義州の製品は全国的に販売され、平壌の製品は首都圏を中心に販売されている。したがって、平壌の商店には、この2つの工場の製品が並んで陳列される場合が多々あるのだが、昨年7月の全般的経済管理改善措置が施されて以後、石鹸、歯磨き粉などの価格はほぼ同じく設定され、結局は品質が購入者の判断基準になっている。

 平壌の工場で造られる石鹸、歯磨き粉などは、新義州よりも質は良いが、化粧品は質が劣るという評判を受けている。よって、平壌の工場ではまず、購入者の反応を調べるため生産部門の責任者を毎月商店に出向かせ、販売員から顧客のさまざまな反応を集めはじめた。

 同工場企画部員のパク・チョルさん(44)は、「香りが少し足りない、皮膚に合わない−など、利用者のいろいろな意見を参考にしている。工場では臨床実験を繰り返しながら、より優れた製品を開発するため努力している」と説明した。以前には見られなかったことだ。

 昨年経済管理システムの改善により、生産に必要な原材料の供給事情にも変化が表れている。現在は100%確保できるようになった。その措置によって、工場の収益金を原材料確保に優先的にまわせるようになり、平壌市傘下の綾羅島貿易管理局を通して原材料を仕入れている。

 パクさんは、「『5大課題』中の『生産正常化』を実現するためには、人民に親しまれる製品をつくって好評を得ないとだめだ。これを新義州との競争を通じて実現しようと思う」と語った。

 平壌工場には現在、「全国に知られる工場に」というスローガンが掲げられている。

[朝鮮新報 2003.10.18]