top_rogo.gif (16396 bytes)

〈改革の現場で〉 商店運営に正常化の兆し

 【平壌発=金志永記者】金日成広場の近くに位置する中区域大同門食糧品商店では平壌市江東郡から仕入れるヤギの乳で作ったヨーグルト、南浦市江西区域の工場で生産される薬水、みそ、しょう油などの基礎食品とソーセージ、ギョーザなどの加工食品を販売している。また、鶏肉と卵を供給している。

昨年7月以降陳列棚にはパン、菓子などが置かれるようになった(大同門食料品商店)

 昨年7月の経済システム改善以後、同店の経営事情は大きく変化した。

 ヨーグルトは1キロ65ウォンで、昨年7月以前は20ウォンだった。以前は1トンも販売できなかったが、現在は7トン販売している。

 みそ、しょう油も客が要求するだけ販売できるようになった。価格は1キロ23〜25ウォン。鶏肉と卵も正常に供給されているという。

 国家が定めた規定より多くは購入できないが、市場より安い国定価格で買える。市内の鶏工場(養鶏場)が補修、拡張され増産された結果だ。

 また、大きな変化は陳列棚にパンや菓子が置かれるようになったことだ。90年代後半の「苦難の行軍」時代は、定年退職した市民らが家でパンなどの食料品を個人的に製造し、市場で販売することが多々あった。昨年7月以後市の各区域に彼らが働ける施設を設けて、各商店に生産物を卸すようになった。商店のパンは、市場のパンより10ウォン程度安く、きちんとした施設で生産されるので衛生的にも良いと好評だ。

 同店店長のパク・チョンイムさん(46)は、昨年7月以後を振り返り、問題点がひとつずつ解決されていっているという。

 90年代後半は、トラック、燃料を自分らが調達して工場にまで出向いても生産物をもらえない時が多々あったという。生産が需要に追いつかなかった。

 しかし昨年7月以降工場でも一連の措置で、生産物が最終的に商店にわたり、販売されてはじめて「儲け」と認められるようになった。「儲け」があってこそ労働者たちもそれ相応の報酬を得ることができるので、必然的に工場では生産量を増やす努力をし、配達にも気を配るようになった。

 その結果、同店と基礎食品工場の取引量はこの1年で2倍になったという。

 商店の売上が増え、従業員の給料も昨年7月に設定された基本給の約2倍にあたる2500ウォン〜3000ウォンになった。

 パクさんは、「今も全ての需要を満たせなくて人びとが市場に頼る傾向が強い。引き続き品数を増やすため努力していきたい」と話していた。

[朝鮮新報 2003.10.24]