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〈改革の現場で〉 行列のできる犬料理専門店

 平壌市大同門区域にある「イアム食堂」が最近、行列のできる食堂として市民の間で話題になっている。

 同店は犬肉料理専門店で、主なメニューはクッパ定食。昼は12時前に行かないと食事ができないくらいだという。

 同店が話題になりはじめたのは、90年代後半の「苦難の行軍」の時期。当時は材料不足でどの店も「正常運営」自体が困難だったが、同店は味で人気を集めていた。

 同店は79年1月に開店。朝鮮では70年代後半、家庭主婦の負担を軽減する目的で市内の各区域、洞に様々な食堂が出された。これら地域密着型の食堂を「住民食堂」と呼ぶが、同店もそのひとつだ。

 「住民食堂」は玉流館、清流館など、平壌の有名な大規模食堂とちがい、区域人民委員会商業部管轄の「総合食堂」に属し、材料の調達などは自らが解決することになっている。

 昨年7月の経済管理システムの改善以降、「独立採算制」の実施が強調されているが、このような小規模の食堂は以前から「独立採算制」で運営されてきた。

 97年から食堂の責任者になったリュウ・ジョンオクさん(45)は、一貫して料理師らに料理の質を追求するよう指示してきた。

 昨年7月以降、定食の価格は200〜250ウォンに設定された。

 「材料と奉仕価格が相応に上がっただけで食堂の経営に大きな変化はありません」とリュウさんは言うが、味で勝負をし、実績をあげた経営者の自負がうかがえる。

 従業員の給料は昨年7月の時点より50%アップした。売上の一部は国に納め、あとは人件費など運営にまわしている。材料の購入に70%をあてている。

 リュウさんは、あえて昨年7月以降の変化を上げるとすれば、家族同伴の客が増えたことだという。食堂のある大同江区域だけでなく他の区域からの客も多いという。

 同店は建物の横に駐車場まで設置した。最近は同業者も訪ねて来る。「成功の秘訣」を探りに来るのだ。

 「別に隠すことはありません。民族料理をお客さんに誠意をもってサービスするだけです」。【平壌発=金志永記者】

[朝鮮新報 2003.10.25]