日本人の在日同胞加害問題対策会議がソウルで開かれる |
昨年の9.17以降日本で続く在日同胞への弾圧と差別の現状を南の社会にも広く知らせ、防止策を討議するための初の国際会議「日本人の在日同胞加害問題対策会議」が24日、南の経済正義実践市民連合国際連帯(経実連)と日本の反差別国際運動(IMADR)の共同主管(南の12市民団体が共催)のもと、ソウル市内のサムソン本館大会議室で行われた。イデオロギーと理念の違いを超え、純粋な民族の人権問題として在日同胞への差別解決へ向けた取り組みを模索しようと行われた会議には、招待を受け参加した総聯代表をはじめ在日同胞、日本と南の市民団体代表らが参加。朝鮮大学校の呉圭祥教授、総聯中央の梁玉出女性局副局長らはチマ・チョゴリ切り裂き事件をはじめ、在日同胞が置かれている現状について「制度的、組織的な差別、弾圧が行われている」と報告しながら、「関東大震災時の朝鮮人大虐殺をほうふつとさせる状況だ」と危機を訴えた。 同伴登校、水曜デモでアピールを 在日同胞たちの訴えを受け、会場からはさまざまな対策案が提示された。 「同伴登校のムーブメントを起こせないか」と提起したのは、今会議を呼びかけた1人である経実連のソ・キョンソク常任執行委員長だ。ソ委員長は、「9月に日本で実態調査を行ったが、朝鮮学校の女生徒が制服のチマ・チョゴリ姿では登校すらできない現実が1年以上も続いていることに言葉をなくした。これはもはや、総聯に対する迫害だけではなく民族すべてに対する迫害だ」と指摘。「北と南、北と日本、総聯と民団、総聯と南―これらの関係を改善するための長期的で持続的な働きかけを行っていかなければならない。その一歩として行われた今会議を継続させるためにも、11月には日本で第2回会議を開くことも検討中だ。深みのある討議ができなくともイデオロギーや理念の違いを超えて互いに理解しあうことが大切だ」と強調した。 また、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)のシン・ヘス代表は「元『従軍慰安婦』ハルモニたちが日本大使館前で続けている『水曜デモ』をここに集まった共催団体が持ち回りで行い、『慰安婦』問題とともに在日同胞の差別問題を訴えていけばどうか」と提案した。 地球村同胞青年連帯(KIN)のソン・トンジュ事務局長は、「差別の根本的解決のためには日本政府による植民地支配の過去清算が不可欠だ。また、南北会談で正式に在日同胞問題が論議されるよう南の社会でこの問題を大きく世論化すべき。今後も在日同胞の若者たちとの交流を深め、彼らの声がわい曲されることなく南の社会に届くよう努力したい」と述べた。 そのほか討議では、日本国内における差別禁止法や人権委員会の整備に向けた働きかけ、「ピースボート」で北、南、日本の各地を周るツアーの企画、国連での問題提起などさまざまな対策案が提示された。 アジア国際主義と日本の観点との闘い 討論に先立ち基調講演を行った武者小路公秀IMADR副会長(中部大学中部高等学術研究所教授)は「日本政府はこれ以上、拉致被害者を利用しようとしてはならない。日本のマスメディアも現在の偏向報道を中断し、バランスある視点で共和国の報道をしなければならない」と指摘した。 また、経実連国際連帯の金泳鎬理事長は「迫害はアジア国際主義と日本の閉鎖的観点とのたたかい。在日同胞の存在は日本が解放に向かうか、閉鎖と差別の道に突き進むかの試金石だ。その存在価値の大きさをもっと同胞自身と周囲が知るべきだ」と指摘した。(李明花記者) [朝鮮新報 2003.10.28] |