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北南同胞の統一意志アピールした済州道民族統一祭典

 【平壌発=李松鶴、盧琴順記者】10月24〜26日にかけて済州道で行われた北南民族統一平和スポーツ文化祭典。分断後、初めて朝鮮半島の最南端に北と南が集まって行われた祭典は、6.15共同宣言のもう一つの結実であるとともに、「わが民族同士」の理念に沿って必ず統一を成し遂げようという全朝鮮民族の意志をあらためて全世界にアピールする場となった。

「ホンジョオプソイェ」

 「ホンジョオプソイェ」。済州道の方言で「歓迎します」という意味のこの言葉、祭典期間中、道内の至るところに掲げられた横断幕や市民たちの口から見て聞くことができた。

北の選手団を熱烈に歓迎する道民たち

 済州市や西帰浦市など道内各所で行われる行事に参加するため、北の代表団は乗用車とバスに分乗して移動した。代表団を乗せた車を見かけると、地元の人たちは家や店の中から出てきては手を振り満面の笑顔で迎えてくれた。

 祭典の最初の行事として24日に行われた民族平和美術展には、油絵や陶磁器、刺繍など北側の作品約250点が展示され、多くの市民たちが詰め掛けた。

 会場の済州国際コンベンションセンター近くの「子どもの家」で働くユ・ヒョンスンさん(46)は、子どもたちと散歩をしている時に偶然、美術展の開催を知り会場を訪れた。「南の作品に比べ写実的に描かれている」と感想を述べたうえで、「子どもたちにはまだわからないだろうけど、私たちにすれば言葉では言い表せない感慨深さがある」と語った。

 同じ日に行われた民俗競技の会場には、相撲王決定戦に出場するため大邱から来たキム・チュンギョくん(12)の姿もあった。決定戦に出場するだけあって、がっちりした体つきのキムくん。「相撲に出場した北のお兄さんたちはみんな強いねー」と舌を巻いた様子だった。コーチとして彼に同行していたキム・ヨングクさん(54)は、「こうして南北の人たちが出会える場が今後もどんどん増えればいい。言葉を交わして情を分け合うことで、統一は自然に実現するだろう」と述べた。

 一方、市民たちによって結成された「統一応援団アリラン」のメンバーは、ムードを盛り上げるうえで一役も二役も買った。すべての行事に参加して北南の選手たちを熱烈に応援するのみならず、毎晩北側代表団が宿泊するホテルの前に集まっては「代表団のみなさんを歓迎します。一日も早く統一しましょう」と心の交流を深めた。

 団長のキム・フィジョンさん(26)は、「いろいろな方法で募集した結果、メンバーは約3000人になりました。北の同胞たちと会って、一緒に南北の選手を応援できたことは本当にうれしい」と話していた。

「統一のために!」

サインボールを交換する北南の卓球選手

 祭典期間中、北南の選手たちも友情を分かち合った。祭典ではサッカーや卓球、相撲など北南の対抗戦が行われる一方で、北南の選手が一緒になって「平和」と「統一」のチームに分かれての競技も多かった。

 相撲に参加した北のリ・チョウォン選手は、「こうして一緒になって相撲を取ると、私たちはやはり一つの民族だということを肌で感じる」とうれしそうに話す。南の女子卓球選手キム・ムギョ選手も、「普通の試合なら緊張するが、北の選手との試合は和気あいあいとした雰囲気で臨むことができる。コンビを組んでもすぐに呼吸が合うので、とてもうれしい。10年前には想像もできなかったことだが、これからも交流を深めていければ」と感想を述べた。

 25日、北南選手のための宴会では競技別に双方の選手たちが同じテーブルに座り、話に花を咲かせた。テーブルごとに「統一のために!」と口々に叫びながら乾杯、時間が経つのも忘れて交流を深めた。

大きな足跡残す

 「これからは『南北』『北南』という言葉のいらない時代、『わが民族』という言葉で通じる時代を築いていこう」

 26日に行われた閉幕式で、金元雄祭典組織委員会共同委員長はこのように述べながら、北と南が力を合わせて一日も早く統一を成し遂げようとアピールした。北南の同胞は祭典を通じて「心の38度線」を乗り越えた。それと共に、6.15共同宣言の理念のもと統一へと向かう道に大きな足跡を残した。

[朝鮮新報 2003.11.6]