top_rogo.gif (16396 bytes)

1日に数十万個の卵を生産する万景台鶏工場

 【平壌発=李松鶴、盧琴順記者】67年の操業以来、平壌市民に卵を供給する上で大きな役割を果たしてきた万景台鶏工場が、設備をリニューアルし新たなスタートをきった。一日に数十万個の卵を生産する同工場では設備を現代化することで、少ない労力で生産量を高めることに成功した。

設備の現代化で1人で約1万5000羽の鶏の管理ができる

 朝鮮のさまざまな工場、企業所で行われている現代化は、外国から設備を取り寄せて行う場合が多い。しかし万景台鶏工場では、もともと使っていた設備を修理や再度組み立てることでほとんどの部分を補い、足りないものだけ外国から取り寄せている。「75棟あった工場内の建物が現代化のおかげで48棟になった。建物の規模は小さくなったが、生産能力ははるかに高まった」と同工場のペク・ミョンチョルさん(48)は話す。

 現在、同工場には数十万羽の鶏がいる。鶏は一棟に約1万5000羽ずつに分けて管理するのだが、設備のおかげでこれだけの数の鶏を1人で管理することができる。

 「鶏工場でもっとも神経を使うのは防疫。出勤した従業員はまず消毒し、入浴して作業着に着替えなければ職場に入れない。それとともに鶏の生活環境、つまり温度と湿度を常に一定に保ち、古くなった飼料や水、鶏の排泄物などによる衛生の悪化を防ぐことだ」と話すのは、操業当時からこの工場で働いているキム・ウォンホさん(63)。ふ化室、養育室など抵抗力の弱い順に棟を風上に配置するなど、建物の設置にも神経を使っている。

ひよこの飼育では防疫に一番神経を使う

 飼料は近くの協同農場と提携している。工場からはこやしとしてはもっとも質の高い鶏の排泄物を提携している協同農場に渡している。

 鶏工場では毎日のように鶏がふ化しているので、卵を産めるようになってから1年間を過ぎると、協同農場に無償で提供している。また、各国から質の高い鶏を買いつけ品種改良にも余念がない。

 こうした努力の結果、工場では朝から晩まで卵が滝のようにあふれている。配達係の従業員は朝8時に出勤して休む間もなく配達しても、その日に生産された卵をすべて配達することはできないそうだ。

 卵1つの原価は10ウォンだが、国家が2ウォンを負担し8ウォンで市民に供給する。市民たちは1人あたり毎月40個の卵を供給されているという。

 「現在の生産量を保てば年間数億個の卵を生産できる。従業員たちも生産量を増やそうと昼夜を分かたず努力している」とペクさんは自信ありげに語った。

[朝鮮新報 2003.11.15]