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〈インタビュー〉 中央特区開発指導総局チェ・ヒョンギュ副総局長

 6月30日に着工式が行われた開城工業地区。北南双方に経済利益をもたらすことが期待されている同工業地区の現状と展望はどのようなものなのか。本社発行の雑誌「祖国」12月号に掲載された中央特区開発指導総局のチェ・ヒョンギュ副総局長のインタビューを翻訳、紹介する。(文責編集部)

 ―開城工業地区の建設は民間レベルでのみ提起され、推進されてきたのか。

 そうではない。北と南が共同で推進する開城工業地区の創設は、もともと金剛山観光を受け持つ南の現代峨山が提起したもので、98年から南の現代峨山と北の民族経済協力連合会の合意によって始まった。それが2000年の北南両首脳の平壌対面と6.15共同宣言の発表を機に、さらに本格化した。

 北と南は歴史的な共同宣言を採択した後、多方面で当局間の話し合いを行ってきた。その過程で北南間の経済協力および交流のための北南経済協力推進委員会を数回にわたって行った。

 北南経済協力推進委員会は1次合意文(01年1月30日)で、「北南間の経済交流と協力がわが民族どうし力を合わせて民族経済を均衡的に発展させ、民族の共同繁栄を成し遂げるうえで重要な意義を持つということで見解を同じくし、北南経済協力事業を積極的に推進していくこと」を明らかにした。

 このような原則に基づき北南間で経済協力事業が進んだわけだが、その核心事業の一つが開城工業地区建設だ。開城工業地区を建設する問題は、02年に行われた経済協力推進委員会第2回会議で正式に当局間合意がなされた。これは、開城地区で行われるすべての事業が民間レベルの合意から当局間の責任ある事業に格上げされ、北と南の政府がお互いに確認したことだと言える。

 これにより、過去3年あまりの間に行われた民間レベルでの経済交流事業が今後、当局が責任を持つ本格的な北南経済協力の段階に入った。

 ―開城工業地区建設の展望と運営方式は。

 開城工業地区の総敷地は2000万坪で、そのうち工場区域が800万坪、新都市区域が1200万坪となっている。第1段階の建設で100万坪、将来的には2000万坪の土地を南側が50年間利用する。

 南の開発者が発表したところによると、1段階の工事は07年まででその間の投資額は2200億ウォン(1億8000万ドル)。繊維、衣類、靴など約250の企業が入り、雇用人員は2万2000余人だ。年間総生産額は27億ドル、給与所得効果は2800万ドルを見越している。

 現代峨山に開城工業地区へ入ることを希望している南の企業は900あまりあり、そのうち繊維、衣類、靴はおよそ420、かばん、玩具、化学製品が100、電気、電子、金属、機械が約230、文房具、めがねが150あまりとなっている。工事が3段階まで進めば産業設備や先端設備、外国企業を誘致する。企業数は約2000、採用人員は約15万人となっている。

 開城工業地区は工場区域と商業区域、それに開城市街地の観光区域などに分けられる。板門郡だった地域は工業地区の工場区域、商業地区として開発され、住民は開城市中心部に引っ越すことになる。工業地区に創設される南と海外同胞、外国の企業は従業員を北側で採用する。ここでも基本は開城市の住民を割り当てることを予定している。工業地区内の工場区域には労働者たちの住居を置かない。

 開城工業地区は北と南が合意した法に沿って運営される地区である。北側は02年11月に開城工業地区法を発布した。同法によると開発業者が推薦する人たちにより現地で工業地区管理機関が組織され、平壌にある中央工業地区指導機関がこれを指導する。工業地区では、社会の安全と民族経済の発展、住民の健康と環境保護を阻害したり経済技術的に劣る部門への投資と営業活動はできないことになっている。

 工業地区では軽工業が中心になるが、必要に応じて電子および機械工業部門の企業も入ることができる。同地区に入った企業は北側の機関、企業所に原料や資材、部品の加工を委託することができる。また、会計業務を正確に行い企業所得税、取引税、営業税、地方税といった税金を適宜に納付しなければならない。同地区での企業所得税率は決算利潤の14%とし、下部構造建設部門と軽工業部門、先端科学技術部門は10%とする。

 このような内容が新たに採択された開城工業地区法で法制化されている。

 ―工業地区の推進状況は。

 報道されたように、6月30日に着工式を行った工業地区の建設は計画どおり進んでいる。北側は同地区の建設と関連し該当する行政区域の改編を行った。1市3郡で構成されていた開城直轄市を1市(開城市)にし、2つの郡(長豊郡、開豊郡)は黄海北道に移され、板門郡をなくした。

 朝鮮政府は昨年11月に開城工業地区創設に関する政令を発表したのについで、開城工業地区法、開城工業地区開発規定、開城工業地区創設運営規定を採択した。また、北と南は開城工業地区での通信、検疫、税関事業などを円滑に行うのに必要な合意書を採択、発表した。

 現在、北と南の関係者は工業地区の運営で提起されるであろう管理公社の設立運営規定、不動産規定、広告規定、外貨管理規定などや、北南間での投資保護と商社紛争解決手続、清算決済、所得への2重課税防止問題などに対する法的な保障を築くための事業を最終段階で行っている。

 ―工業地区建設が持つ意義は。

 工業地区の建設は6.15共同宣言のもと、民族経済の統一的発展を成し遂げ北と南の共栄に貢献する愛国愛族的な事業である。同地区の建設過程を通じて北と南は互いの和解と協力、信頼を厚くし、すべての同胞の統一熱気をより励ますことになるだろう。

 開城工業地区が完成すれば、北東アジアの経済中心地となるだろう。それにより北と南は大きな利益を得ることだろう。南の現代経済研究院は、工業地区が完成すれば北に27億ドルの直接的な外貨収入を含む73億ドルの経済効果をもたらし、南にはその7倍にあたる524億ドルの経済利益を与えると推算しながら、この事業が北南双方に利益をもたらす事業だと分析した。

 開城工業地区の建設はわが民族どうしで民族共同の繁栄と統一への道を必ず切り開いていくというわが民族の意志と姿を世に知らしめることだろう。

[朝鮮新報 2003.11.29]