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〈新たな食文化、親しまれるメギ料理〉 平壌の専門店を訪ねて

 ヨルテメギとは直訳すると熱帯ナマズ。朝鮮では、2000年頃から普及し、市民の間では現在、ヨルテメギの「ヨルテ」を省き、「メギ」と呼ばれ親しまれている。

スンオからメギ専門に

さまざまな効用もあり市民たちに親しまれている

 平壌市中区域に位置する平壌メギタン(タンとは熱いスープを意味する)店は、平壌で有名なメギ料理専門店。230席ある大型店だ。毎日昼食時間になると、メギタンを食べに来る市民でにぎわう。

 メイン料理は、メギ500グラムを豆腐、ねぎなどと一緒に煮込んだ、うっすらと油の浮いたスープ。唐辛子のぴりっとした辛味がきいて、なかなかの味だ。食べていると全身から汗が出てくる。ライス、キムチがセットで、100ウォン(約90円)。毎日1200食出る。同店には常連客が数多くいるという。

 今はメギタンで知られる同店だが、もともとは「大同江スンオ(ぼら)スープ店」だった。00年9月からメギ料理専門店に変わった。

 朝鮮では食糧解決のため、じゃがいもの栽培、やぎの飼育など、朝鮮の現状況に合ったものを奨励してきたが、メギもそのひとつだ。メギは飼料を与えた分体重が増え、成長も早い。それでいて栄養価も高い。金正日総書記はこれに着目し、総書記の直接的な指示のもと、2000年頃から全国に養殖所が大々的に建設されメギが生産され始めた。

 以後、メギ料理専門店が各地にオープンし、市民の食卓にも上っている。

100種類の料理

種類も豊富なメギ料理

 74年からこの食堂に勤めている厨房長のタク・チョンスクさん(55)は当初、見たことのない食材をもって料理するのでとまどいもあったという。メギは、長いひげが生え、体はぬるぬるして黒光りし、見た目は多少グロテスクに映る。大きいもので5キログラムはある。

 しかし、肉はやわらかく、それでいて煮込んでも形のくずれない、とても優れた食材だと話す。

 同店では開店前からメギ料理の研究をかさね、スープ、刺身、くんせい、てんぷらなど、今では100種類にのぼる料理を開発した。しゃぶしゃぶにしてもおいしく、この「裏メニュー」を頼む客もいると言う。

 メギはまた、栄養価も高い。特に肝臓に良いとされる。

 タク・チョンスクさんは、「2日酔いに良い。また、メギを1カ月間食べ続けると、皮膚がきれいになる。強壮剤としても効果がある」。

 メギは、昨年4月から約3カ月にわたり平壌で上演された大マスゲームと芸術公演「アリラン」にも登場した。今や国内にメギを知らない人はいない。「アリラン」祭典期間、数多くの食堂のメニューにも登場し、海外同胞や外国人にも広く知れ渡った。

 普及され始め3年のメギ。朝鮮の食文化に欠かせない食材のひとつになっている。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2003.12.12]